巨人・田中将大 日米通算200勝 仙さん、ノムさん、恩師たちの言葉を胸に史上4人目の快挙に到達

 勝利の瞬間ガッツポーズする田中将
 日米通算200勝を達成し、ボードを手に笑顔を見せる田中将(撮影・伊藤笙子)
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 「巨人4-2中日」(30日、東京ドーム)

 巨人・田中将大投手(36)が30日、中日戦(東京ド)で勝利投手となり、日米通算200勝を達成した。楽天での119勝、ヤンキースでの78勝、今季移籍した巨人での3勝を合わせて大台に到達した。野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有(パドレス)に続く史上4人目の快挙で、プロ野球だけの200勝到達者と合わせると28人目。あと1勝としてから足踏みが3試合続いていたが、今季最後の登板で区切りの1勝を手にした。

 ようやくたどり着いた高み-。「本当にうれしい。ここまで長い時間がかかったので…」。粘りの6回2失点、気迫の85球。田中将らしく手にした日米通算200勝。両拳を突き上げ喜び、ナインからのウオーターシャワーに笑みがはじけた。

 悔しさから始まったプロのキャリアだった。記憶に深く刻まれるのはプロ初登板の07年3月29日・ソフトバンク戦(ヤフードーム)だ。「何か簡単に打たれましたね。全て打たれた」。黒星は付かなかったが、1回2/3を6失点KOの屈辱のデビュー戦となった。

 だからこそ、最も思いの残る1勝にプロ初勝利を挙げる。プロ4試合目、同じソフトバンク相手に9回2失点の完投勝利。「初登板からの間も、少しずつ手応えは感じていた。本当に積み重ね」。1勝の難しさ、地道な積み重ねの大事さ。今につながる礎があった。

 飛躍へ導いた恩師の存在も忘れたことはない。新人時代の指揮官、故・野村克也さん。ベンチでは常に隣に座り、その野球観を吸収した。「投球の中で一番大事なのは制球だと言っていただいた。外角低めはいつでも投げられるように、今も練習で繰り返している」と野村さんが教えた“原点”を実践し続けている。

 もう1人は13年の日本一当時の指揮官、故・星野仙一さんだ。伸び悩んだ12年、星野監督は「お前のボールがあれば、ワシだったらもっと勝っとる」と言葉を掛けた。「次の年に24勝した。スゴい印象的だった」。右腕を奮起させ、伝説の1年に導いた一言だった。

 恩師たちと同様、この勝利を届けたかった存在が最愛の家族。まい夫人へ「僕はグラウンド上でうまくいかないことを家に持ち帰らないが、妻も同じような感じでいてくれる。やっぱりありがたい」と感謝は尽きない。

 そして子供たちへ-。「つらい部分をたくさん見せている。もっと勝って良い姿を見せてあげたい」。打者をねじ伏せ、万雷の拍手を浴び、誇り高き父の背も示した。

 「もっとこみ上げてくるものがあるかと思っていたが、ここがゴールではない」とCSへ目を向けた田中将。ひたむきに次の勝利を目指す。右腕が紡ぐ物語は終わらない。

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