日大三 全身全“礼”涙の準V 異例の全方向あいさつ 三木監督「西東京大会の決勝からみんなでやろうと」
「全国高校野球選手権・決勝、沖縄尚学3-1日大三」(23日、甲子園球場)
決勝が行われ、沖縄尚学(沖縄)が日大三(西東京)を3-1で下し、1962年に初出場してから11度目の挑戦で初優勝を果たした。沖縄県勢としては2010年の興南以来15年ぶり2度目。センバツを2度制した沖縄尚学は3度目の甲子園制覇となった。日大三は11年以来3度目の優勝を目指したものの、惜しくも届かなかった。
美しい姿に、「敗者」は存在しなかった。聖地のグラウンドに立っていたのは日本一長い夏を共有した2校。一塁側アルプスにあいさつを終えた日大三ナインは、三木有造監督(51)に促されて体の向きを変えた。外野席、三塁側の沖縄尚学アルプス、内野席へ-。甲子園の全方向に頭を下げた後、糸が切れたように泣き崩れる背中には、万雷の拍手が注がれた。
異例の形で体現された感謝の思い。指揮官は「最後に『ありがとうございました』と。西東京大会の決勝から、みんなでやろうと、決まり事で」と説明し「すごい成長。(甲子園に)来た時と帰る時でこんなに違うのか…」と選手をたたえた。
伝統の強打が2年生好投手に封じられた。初回に先制するも、尻上がりに調子を上げた先発・新垣有と2番手・末吉に対して、五回以降はわずか1安打。今大会2本塁打の4番・田中諒(2年)も4打数無安打に終わり「本当に自分と同じ代なのか、というくらいの投手。球のキレも良くて、体も大きいし、気持ちから強くて、全てがすごかった」と感服した。
それでも、先輩たちから名門の主軸の自覚を教わった16歳は、聖地の土を拾うことなく涙を拭った。「来年も甲子園に来て、優勝旗を今の3年生に見せたい。沖縄尚学とまた決勝で戦って次は打ち勝ちたい」。その胸の小さな痛みが消える時、強くなった4番の姿が甲子園にあるはずだ。




