県岐阜商 ジャイアントキリング4強 センバツ王者・横浜撃破!タイブレーク十一回、坂口が決めた 負けて帰るつもりが奇跡

 タイブレークの11回、サヨナラ打を放ちガッツポーズの県岐阜商・坂口(撮影・中田匡峻)
 横浜に勝利し、駆け出す県岐阜商ナイン
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 「全国高校野球選手権・準々決勝、県岐阜商8-7横浜」(19日、甲子園球場)

 準々決勝4試合が行われ、県岐阜商が今春優勝・横浜との延長十一回タイブレークの末、8-7でサヨナラ勝ち。2009年以来16年ぶりの準決勝進出で、19年・明石商以来となる公立勢で唯一の4強入りを果たした。山梨学院は昨夏優勝・京都国際に11得点で大勝。日大三も昨夏準優勝・関東第一との15年ぶりの東京勢対決を制し、1日で今春V校、昨夏V&準V校が姿を消した。21日の準決勝は日大三-県岐阜商、沖縄尚学-山梨学院で行われる。

 負けて帰るつもりだった。ただ、県岐阜商らしく、明るく楽しい野球を貫くことは、忘れなかった。そこに、激戦の末の勝機が待っていた。

 初回1死一塁、内山元太内野手(2年)の適時二塁打で先制すると四回には2死無走者から小鎗稜也捕手(3年)以下の3連打で追加点。五回にも2点を加えた。

 ただ、六回に3点を返され、八回に追いつかれる。試合は延長タイブレークへ。十回無死一、二塁はバント処理のミスから3失点。失点は全て、投手と内野手の失策が絡んだ。優勝候補筆頭の今春王者相手にミスが出れば、命取りを意味する。

 しかし、県岐阜商は、違った。終盤までリードを奪い、また同点の九回には1死二、三塁などギリギリまで追い詰めた。

 俺たち、あの横浜相手に頑張ったよなあ-。そんな思いが勝り、いくらミスが出ても、誰も暗くならない。3点を追う十回。「満足。あとは思い切り楽しんで帰ろう、と話してました」と小鎗。その小鎗に無死満塁で打席が訪れる。

 これまで3試合で12打数1安打。藤井潤作監督(53)から「『0割バッター』とイジってもらえて、それでみんなも明るくなるのでうれしかった」とどこまでも前向きな男が、横浜・奥村頼の直球を、左中間へかっ飛ばす。同点二塁打。そして延長十一回2死一、三塁。坂口路歩内野手(3年)が「絶対打ってやる」と左前へ、激戦にピリオドを打つサヨナラ打だ。

 公立校として6年ぶりベスト4。創部100年の同校にとっては16年ぶりだ。決勝進出なら69年、優勝だと89年ぶり。伝統を背に「ここまで来たら、頂点を狙いたいですね」と小鎗。帰るのはそれからでいい。

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