左手ハンディの県岐阜商・横山の好返球に甲子園どよめく NHK実況も「驚きました」グラブ素早く外して強肩披露 バットでも3戦連続安打
「全国高校野球選手権・3回戦、県岐阜商3-1明豊」(17日、甲子園球場)
県岐阜商・横山温大外野手(3年)がライトから一塁へ好返球し、甲子園をどよめかせた。
生まれつき左手の指を欠損するハンディを背負っているが、名門で右翼のレギュラーとして活躍。八回の守りでは無死一塁から右直を捕球すると、右手にはめたグラブを素早く外して右投げで一塁へノーバウンド送球した。慌てて一塁走者が戻り間一髪でセーフとなったが、甲子園はどよめき。中継したNHKでは実況も「驚きました。素晴らしいプレーでした」と、スロー映像とともに伝えた。
横山は初回に痛烈な右前適時打を放ち、3戦連続安打をマークした。1回戦の日大山形戦で2安打1打点。2回戦・東海大熊本星翔戦の第1打席でも右前打、六回には犠打と勝利に貢献した。
2回戦の勝利後、「注目されるからこそ、もっと結果を残さないといけない」と貪欲に次戦を見据えていたが、この日も攻守で甲子園のファンをどよめかせた。
チームは16年ぶりの8強。試合後、横山は貴重な一打に、「追加点が欲しい時に自分が打てたので良かったです」と振り返った。高校野球ファンの心をつかみ、打席でアナウンスされるたびに歓声が起こっていることに、「自分が打って、その歓声に応えようという思いでした」とうなずいた。
試合終盤は左翼へポジションを代えたが、フル出場。藤井監督も「彼はヒーローみたいなもの。安心して使っていける選手になった」と目尻を下げた。




