希代のスラッガー・中田翔が本塁打を語る「球場の雰囲気を一発で変えられる。もっともっと打ちたかった」 引退会見で涙
中日の中田翔内野手(36)が15日、バンテリンドームで会見し、今シーズン限りでの現役引退を表明した。
プロ18年間で通算309本塁打の希代のスラッガー。「ホームランへの思いを問われると「やっぱり球場の雰囲気を一発で変えられるのはホームランだと思っている。ホームランに対してのこだわりも若い頃から強かった。ファンの皆さんもそこに対して期待して下さっていたと思う」と話した。
ただ、中日移籍後は昨季が4本塁打に終わり、今季もここまで2本。腰痛にも苦しみ「本当はもっともっとホームランを打ちたかった。この球場(バンテリンドーム)でもたくさんホームランをファンの前で見せたかった」としみじみ。「ホームランは特別なもの。ベースを、グラウンドを一周しているときの気持ち。あれはホームランを打ったことのある人間にしか分からない感覚だと思う。正直、もっともっとグラウンドを回りたかった」と話した。
中田は会見で引退を決断した理由を「日々野球をやっている中で、満足いくスイングができない、思い通りに体が動かないと感じてきた中で、これ以上チームに迷惑を掛けられないというのがあったので、そういう決断を下しました」と説明。会見中には瞳を潤ませる場面もあった。
中田は23年オフに巨人との複数年契約を解除して自由契約となり、中日と2年契約を結んでいた。
中日に移籍1年目の昨季は開幕当初はチームをけん引したが、その後腰痛を発症し62試合、打率・217、4本塁打、21打点に終わった。腰の負担を減らすために減量して臨んだ18年目の今季はここまで25試合で2本塁打、4打点。5月に腰痛が再発して離脱し、今月7日に3カ月ぶりに1軍に昇格したが、12日に抹消。昇格後は3打数無安打だった。
◆中田翔(なかた・しょう)1989年4月22日生まれ、36歳。広島県出身。184センチ、107キロ。大阪桐蔭から2007年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。打点王を3度獲得するなど、リーグを代表する強打者となる。21年シーズン中に巨人へ移籍。24年からは中日でプレーしていた。通算309本塁打は今季の現役選手中2位、1087打点は同3位。





