中日・中田翔が涙 決断は2カ月前「満足いくスイングができない。これ以上チームに迷惑を掛けられない」引退会見で理由明かす 今後は「全くわからない」
中日の中田翔内野手(36)が15日、バンテリンドームで会見し、今シーズン限りでの現役引退を表明した。
冒頭で「2カ月ほど前に決めた」と決断時期について明かし、理由について「日々野球をやっている中で、満足いくスイングができない。思い通りに体が動かないと感じてきた中で、これ以上チームに迷惑を掛けられないというのがあったので、そういう決断を下しました」と話した。
中田は23年オフに巨人との複数年契約を解除して自由契約となり、中日と2年契約を結んでいた。引退の要因になった腰痛について「情けないことに回復せず、ひどくなっていく一方だった」と明かし、プロ18年間で悔いがあるかと問われると「最後、拾っていただいた中日に貢献できなかった。ファンのみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱい」と話した。
その上で「これから野球がなくなると考えると、不安もあるが、こうやって野球に携われて幸せだった」とし、「最後、ドラゴンスの球団関係者、スタッフの皆さんに感謝していますし、最後、ドラゴンズのユニホームで幕を閉じられるのはすごく幸せなこと」とも語った。
今後については「これからのことは全くどうなるかわからない」とし、「正直この2、3年、精神的にもきつく、考える時間が長かった。野球が嫌いになりかけていた自分がいた。最後はもう一度、野球を好きになって終わりたい気持ちも強い」と続けた。
会見がひと段落すると、大野、細川、ブライトらが花束を持って登場。笑顔を浮かべていた中田だったが、仲間が去ると目元の涙をぬぐう様子もあった。
中日に移籍1年目の昨季は開幕当初はチームをけん引したが、その後腰痛を発症し62試合、打率・217、4本塁打、21打点に終わった。腰の負担を減らすために減量して臨んだ18年目の今季はここまで25試合で2本塁打、4打点。5月に腰痛が再発して離脱し、今月7日に3カ月ぶりに1軍に昇格したが、12日に抹消。昇格後は3打数無安打だった。
◆中田翔(なかた・しょう)1989年4月22日生まれ、36歳。広島県出身。184センチ、107キロ。大阪桐蔭から2007年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。打点王を3度獲得するなど、リーグを代表する強打者となる。21年シーズン中に巨人へ移籍。24年からは中日でプレーしていた。通算309本塁打は今季の現役選手中2位、1087打点は同3位。





