智弁和歌山・渡辺“命がけ”で挑んだセンバツの雪辱 ウエートルーム“籠城”で驚異の筋肉量2キロ増
「全国高校野球選手権・1回戦、花巻東4-1智弁和歌山」(8日、甲子園球場)
目を真っ赤にした智弁和歌山・渡辺颯人投手(3年)は、最後までベンチで声をからした。初戦の先発を託されるも5回5安打3失点で降板。それでも、エースとしてゲームセットまでファイティングポーズは崩さなかった。
1点の援護をもらって初回を迎えるも、野選も絡んで、いきなり2点を奪われて逆転を許した。五回も適時打を浴びて流れを引き戻せず。「本当にいろんな人に支えられた。日本一で恩返しできなかった」と涙で頬をぬらした。
今春センバツは決勝で横浜に5回2/3を11安打9失点と打ち込まれて敗戦。力の差を埋めるべく、春を終えて賭けに出た。練習ではボールを一切握らずにウエートルームに“籠城”した。
胸と腕、下半身、背筋と強化ポイントを3分割し、週6日間のトレーニングを繰り返した。故障するリスクもある重い重量にも果敢に挑戦。ボディービルダーでも1年で3キロ増えるかどうかと言われている筋肉量をたった1カ月間で2キロも増加させた。「ボディービルです。覚悟を決めてやりました」。まさに“命がけ”の鍛錬で打倒・横浜に突き進んだ。
道半ばで夢は散った。2年春から名門の「1」を背負い、「自分との約束を守ること」は貫き通した。妥協なき高校野球生活はかけがえのない財産。「次のステージでは必ず日本一になりたい」と強く決意した。
◆渡辺 颯人(わたなべ・はやと)2007年6月23日生まれ、18歳。横浜市出身。180センチ、90キロ。投手。右投げ右打ち。六つ川小1年時に永田台少年野球部で野球を始め、南中では世田谷西リトルシニアでプレー。智弁和歌山では1年春からベンチ入り。





