広陵が暴力事案の詳細を公表 出場辞退せず7日初戦 被害生徒、保護者に謝罪「不適切な行動があったことは極めて遺憾」

 広陵高校は6日、第107回全国高校野球選手権大会に出場する硬式野球部で1月に発生した暴力事案について、広島県高野連を通じて調査結果を含めた詳細を公表した。

 広陵は7日の第4試合で旭川志峯(北北海道)と対戦予定で、出場辞退はしない方針。

 広陵は「この度、本校硬式野球部内において令和7年1月に生じました部員間の暴力を伴う不適切な行動につき、ご説明とご報告をいたします」とし、経緯を説明。「本校は、加害生徒の申告により不適切な行動を把握した後、速やかに本校生徒指導部において、被害生徒並びに指摘を受けた部員全員及び職員から聴取を行い、事実関係の調査を行いました。その結果、硬式野球部の2年生部員(当時)計4名が、1年生部員(当時)1名に対して、それぞれが個別に被害生徒の部屋を訪れ、暴力を伴う不適切な行為をしたことが判明しました」とした。

 調査の結果、令和7年2月14日までに関係者に対する指導及び再発防止策を策定したという。

 また、直ちに一般財団法人広島県高等学校野球連盟(広島県高野連)を通じて公益財団法人日本高等学校野球連盟(日本高野連)に報告。高野連において令和7年3月5日に行われた審議委員会により、硬式野球部に対して「日本高等学校野球連盟会長名による厳重注意」、当該部員に対しては事件判明日から「1カ月以内に開催される公式戦に出場はできない」と処分が下された。

 SNS上などで取り上げられている情報について関係者に事情を聴取した結果、「新たな事実は確認できませんでした」という。その上で「被害を受けられた生徒ならびにその保護者の皆さまには、重ねて深くお詫びを申し上げます。また、関係各位におかれましては、ご迷惑とご心配をおかけする事態となりましたことを、お詫び申し上げます」と謝罪した。

 続けて今後についても明記。「本校では、正課の活動のみならず部活動などの課外活動においても、いかなる暴力も認めない方針を掲げております。しかしながら、今回、硬式野球部において暴力を含む不適切な行動があったことは極めて遺憾であります。全校を挙げて、再発防止に注力してまいります」とした。

 これまで事案について公にしてこなかったことに触れ、「被害生徒及び加害生徒の保護の観点から公表を差し控えてまいりました」と説明。SNS上では批判的な投稿が殺到している状況に「インターネット上では調査結果とは異なる事実、臆測に基づく投稿や、関係しない生徒への誹謗中傷も一部見受けられますが、本書に記載した内容を超えての具体的なご説明は差し控え、今後も生徒ならびに関係者の個人情報に及ぶ詳細の公表は控えさせていただきます。本校は、生徒たちがその能力を発揮し、夢や目標に向かって成長してくれることを心から願い、支えていく所存です。関係するみなさまにおかれましては、ご理解・ご配慮のうえ、冷静なご対応をよろしくお願いいたします」とも記した。

 また、大会本部によると「SNS等で拡散されている事案の内容と、広陵高校が日本高野連に報告した内容に違いがありましたが、学校側から6日、これまで報告していた内容以外に新たな事実関係はない旨、表明がありました」という。主催者としては「大会出場の判断に変更はありません」とした。

▽広陵が把握しているという事案の概要は以下。

(1)事案発生日時・場所…令和7年1月22日(火)広陵高等学校寄宿舎(清風寮)

(2)関係者

被害生徒A

加害生徒B、C、D、E以上4名

(3)事実

 B~Eのそれぞれが個別に被害生徒の部屋を訪れ、Bが胸を叩く、Cが頬を叩くという暴行をした。また、Dが腹部を押す行為をしたほか、Eが廊下で被害生徒の胸ぐらをつかむ行為をした。

 さらに保護者から、不適切な行為をした生徒としてF、Gの名前が挙がったため聴取したが、不適切な行為は確認できなかった。後日、加害生徒4名が被害生徒に謝罪した。なお、被害生徒は3月末で転校した。

 本校は事案の把握当日に広島県高野連に一報した。また、令和7年2月14日、本校から広島県高野連に対して今回の事案について報告書を提出した。

 被害生徒の保護者から「学校が確認した事実関係に誤りがある」との指摘があり、改めて部員に事実確認をしたが、新しい事実はなかった。

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