千葉大会決勝で顔面死球も気迫の出場 市船橋・花嶋「貫通していて10針縫いました」「甲子園でも暴れたい」U-15でバッテリーの左腕と対戦熱望
5日に開幕する第107回全国高校野球選手権の出場校による甲子園練習に1日、3年ぶり出場となる千葉・市船橋が登場した。「スタンドが近く感じて、圧倒されたというか。ここが甲子園なんだと実感がすごく湧きました」。そう話す花嶋大和捕手(3年)の口元には痛々しい傷が残っていた。
八千代松陰との千葉大会決勝で、六回に左頬に死球を受け、担架で運ばれた。それでも、理学療法士と相談の上で治療後に志願のプレー続行。3-7で迎えた延長十回タイブレークでは、押し出しで1点を返した無死満塁から、1点差に迫る適時二塁打を放った。その後チームはサヨナラ勝利し、優勝を決めるホームを踏んだ花嶋。唇の左側に貼られた大きなガーゼに血がにじむ中、最後まで懸命にプレーする姿が反響を呼んだ。
試合後、救急病院へ直行。その後改めて医療機関を受診したといい「貫通して穴が開いちゃってる状態だったので、内と外で5針ずつで計10針、縫いました。試合中は全く感じなかったんですけど、試合後に痛みが来ました。今は食事とかは問題なくできています」と状態を明かした。周囲からは「『かっこよかったよ』とは言ってもらいました」と照れ笑い。「本来かっこいいキャラじゃないので(笑)甲子園大会で暴れて、その言葉をもう1回いただきたいなと思います」とプレーで存在感を示すことを誓った。
U-15日本代表に選ばれた実績を持ち、高校通算24本塁打の長打力が魅力だが「長打も打ちつつ、単打で塁に出たり後ろにつないだり、アベレージヒッターというのが自分の強み」と花嶋。対戦を熱望する相手がいる。
U-15日本代表でバッテリーを組んだ経験がある健大高崎(群馬)の最速147キロ左腕・佐藤龍月投手(3年)だ。昨春センバツでV腕となるも、昨夏群馬大会で優勝を導いた後に、トミー・ジョン手術を受けた友。懸命なリハビリを経て今夏に復活を果たした姿に「龍月には人間的にも選手としてもリスペクトを持っています。彼の努力する姿というのは本当にすごいモノがある。ぜひ対戦できたら、打席に立ってみたい」と再会を心待ちにした。




