日本ハム・新庄監督 有言実行貯金21ターン 後半戦“開幕投手”にドラ1柴田「まずは投手だけで2、3回」サプライズ発表
「楽天0-2日本ハム」(21日、楽天モバイルパーク)
日本ハムが前半戦最後のカードとなった楽天3連戦を3連勝で締めくくった。新庄剛志監督(53)は試合前、球宴までに「(貯金)21、勝ちたいな」などと話していた中、この日はリリーフ陣の奮闘もあり貯金21を達成。ドラフト1位の柴田獅子投手(19)=福岡大大濠=を後半戦の“開幕投手”として26日・ロッテ戦(エスコン)に先発させることも明かすなど、後半戦も新庄流で首位を突き進む。
有言実行の貯金21に、新庄監督は「怖い、怖い、怖い、怖い」と笑うしかなかった。圧倒的な強さを見せて前半戦を3連勝フィニッシュ。先発投手が作る完投王国に、何通りも作れる打撃陣の組み合わせ…。これに中継ぎ陣の層の厚さも光る。
「あれだけ安心感があると、もう(先発も)完投いいかなと思うもん」
この日は球宴に出場する田中をベンチから外したが、鉄壁のリリーフ陣が無失点リレーを完成させた。七回から上原、玉井とつなぎ、柳川は志願の3連投で7セーブ目を記録。頼もしい選手らに、新庄監督も「うれしい悩みを作ろうとしたんだけど、実際そうなったらうれしくない」と笑顔で頭をかくしかなった。
盤石のステージを作り上げ、新庄監督は予告通りのサプライズ発表を行った。試合前に、二刀流のドラ1・柴田を26日の後半戦“開幕投手”としてデビューさせることを明言。「僕の中では重大発表」と位置づけるほどの大抜てき。本人にもすでに通達済みだといい、「まずは投手だけで2、3回を投げさせたい」と起用法も説明した。
プロ野球界の発展を望み、目指す常勝軍団の育成へ。新庄監督は「(順位確定前では)吉田輝星くん以来かな、高校卒業の19歳で。彼ではなかったらこうはさせていなかったけど、やっぱりファイターズの未来を考えると一発目」と大きな未来を見据え、球団には指揮官自らがお願いしたという。前半戦の首位ターンが決まったタイミングでの決断となった。
成長を促進させる狙いもある。7、8、9枚いた先発陣が奮闘した前半戦から、後半戦は6枚に減らして勝負をかけていく方針の中で、ルーキーに先陣を託す。「こういう舞台を味わわせたい。経験。これで、今後の野球への取り組み方も全然変わってきます」とは新庄監督。常に見据えるは、一歩先の未来だ。
9年ぶりの頂点へ。「ゆっくりと休んでもらって、『また野球をしたい』くらいの気持ちで顔を合わせたいと思います」。新庄ハムの大航海は、まだ道半ばだ。
◆柴田 獅子(しばた・れお)2006年4月18日生まれ、19歳。福岡県出身。187センチ、87キロ。右投げ左打ち。投手。庄内中、福岡大大濠を経て、24年度ドラフト1位で日本ハム入団。最速149キロのスケール感たっぷりの本格派で、昨年夏の福岡大会初戦では5回参考ながらノーヒットノーランを達成。高校通算19本塁打の打撃も魅力。





