巨人・二岡ヘッド長男、青山学院・二岡択実 昨夏右肘手術…麻布に3回戦で涙 3番手で1回0封 観戦父「最後に試合に投げられたので良かった」

 9回から登板し1イニングをピシャリと抑えた青山学院・二岡(撮影・持木克友)
 麻布高に敗れた二岡(左から3人目)ら青山学院ナイン(撮影・持木克友)
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 「高校野球東東京大会・3回戦、麻布5-2青山学院」(17日、ジャイアンツタウンスタジアム)

 東東京大会は3、4回戦が行われ、青山学院は麻布に2-5で敗れた。雨天順延の影響を受け、この日登板予定のなかったエース・二岡択実投手(3年)は3点を追う九回に登板し、三者凡退に抑えた。父の巨人・二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチが見守る前で最後の夏を笑顔で終えた。

 仲間と駆け抜けた夏だった。二岡は最後まで笑顔を貫いた。見せたかったのは感謝と自分らしさ。3点を追う九回が高校生活最後の舞台となった。父の助言通り、強気のゾーン勝負で三者凡退に締めた。

 「悔いはないですね、もう出し切りました」

 エースの登場に、スタンドの熱は上がった。本来なら、登板予定はなかった。「若林監督に直訴して投げさせてもらいました」。目指す勝利へ、流れを変えたい一心でマウンドに立った。

 「勘じゃないけど、投げるだろうな」。不思議な胸騒ぎを覚え、二岡は試合までに「ゾーンで勝負すれば打たれない」と父から助言をもらっていた。予感は的中。神宮で行われるヤクルト戦前に、応援に駆けつけていた父の前での好投につなげた。「見てもらえて一番うれしい」と結果で恩返しした。

 順風満帆な3年間ではなかった。昨春には右肘を負傷し、夏に手術を受けた。「ずっとケガで迷惑をかけていたのでホッとしています」と、グラウンドに戻った喜びと同時に安堵(あんど)が募る。そんな息子を見てきただけに、二岡コーチも「手術してリハビリして大変だったと思うけど、最後試合に投げられたので良かった。(試合前練習に)ギリギリですよ」と父の顔になった。

 仲間と一緒だから乗り越えられた3年間が、これからの力になる。今後は大学でも野球を続け、父と同じプロを目指していく。「僕が野球をやっている以上、どうしてもお父さんの名前が出てくる。名前負けしないように。いい意味でお父さんの名前を借りずに『二岡択実』という選手を見せつけていきたい」。野望を抱き、次は大きな背中を超えていく。(松井美里)

 ◆二岡択実(におか・たくみ)2007年6月10日生まれ、18歳。東京都品川区出身。179センチ、65キロ。右投げ右打ち。小3から御殿山ファイターズで野球を始め、青山学院では1年夏からベンチ入り。

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