西条の「球児」に熱視線 宇佐美1回無失点、大器の予感 阪神・山本スカウト「大型左腕貴重」8球団集結
「高校野球愛媛大会・2回戦、西条7-0川之石」(16日、坊っちゃんスタジアム)
目標のプロ入りへ、球児の夏が幕を開けた。今秋ドラフト候補で最速143キロ左腕の西条・宇佐美球児投手(3年)が7点リードの七回から登板し、1回2安打無失点。マウンドに上がると同時に8球団のスカウトがバックネット裏から視線を送る光景が、その注目度の高さを物語った。
対角に突き刺す直球は絶品。1死一、二塁から見逃し三振を奪うなど、ピンチを作りながらも余裕が漂う投げっぷりだった。この日最速は140キロながらも、182センチ、85キロの体を操るスムーズな投球フォームに才能の片りんが見え隠れした。阪神・山本スカウトは「大型の左は貴重。スライダーもいい」と評価し、好素材であることを示した。
父が阪神・藤川球児監督のファンであることが「球児」の名前の由来。「小さい頃はよく見ていました」と縦じまのユニホームを目に焼き付けて育った。高卒プロ志望で最後の夏でのアピールに燃える。「甲子園に行くこと、高卒支配下でプロにいくことしか考えていない。この夏は『宇佐美球児はこんなもんじゃないぞ』と示せるように」。大器の予感を醸し出すその左腕で夢をつかむ。
◆宇佐美 球児(うさみ・きゅうじ)2007年6月4日生まれ、18歳。愛媛県西条市出身。182センチ、85キロ。左投げ左打ち。投手。小学2年から大町ソフトボールクラブに所属し、西条南中では軟式野球部でプレーして3年時には愛媛県選抜に選出された。西条では1年夏からベンチ入り。




