英数学館 プロ注目147キロ右腕・藤本が9K完封発進! 8球団スカウトの前で 次は広島商戦「抑えて勝ちたい」
「高校野球広島大会・2回戦、英数学館1-0呉」(13日、エブリイ福山市民球場)
2回戦10試合が行われ、今春の県大会を初制覇し、春夏通じて初の甲子園出場を目指す英数学館が初戦を突破した。最速147キロを誇るプロ注目右腕・藤本勇太投手(3年)が9回を6安打9奪三振で完封。8球団のスカウト陣が視察する中、最速146キロを計測した直球を軸に好投した。次戦は、昨秋の明治神宮大会で準優勝を果たした広島商と激突する。
観客が固唾(かたず)をのんで見守る中、炎天下のマウンドでエースがほえた。最後の打者から空振り三振を奪い、圧巻の完封劇を締めくくった藤本。「最後まで攻めていけた。ピンチのところはしっかりギアを上げていけたと思います」と白い歯をこぼした。
二回に相手の暴投で先制に成功。結果的に援護点はこの1点のみだったが、「1点あればいい」と余裕があった。八、九回は得点圏に走者を背負うも、気迫のこもった投球でホームは踏ませず。「あそこで気持ちを見せなかったら意味がない」と見応え十分の119球だった。
呉は17、19年のセンバツに出場した実力校。難敵相手に9奪三振をマークした。この日は武器であるスプリットではなく、スライダーのキレが抜群。「ブルペンから感触がよかった」と振り返る最速146キロを計測した直球とのコンビネーションを駆使し、要所で三振を奪った。
ネット裏には広島、巨人など8球団のスカウト陣が集結。巨人の柳舘スカウトは「相手をよく見て投げている印象。非常にクレバーだと思う」と高い評価を与えた。
次戦は昨秋の明治神宮大会で準優勝した広島商と激突する。3回戦屈指の好カードを前に、「一個ずつアウトを取っていけば、相手にも劣らないと思う。名前で負けないように。自分が抑えて勝ちたいです」と気合十分の藤本。自慢の速球で強豪をねじ伏せ、夏の主役へと名乗りを上げる。
◆藤本勇太(ふじもと・ゆうた)2007年8月28日生まれ、17歳。広島県庄原市出身。177センチ、76キロ、右投げ右打ち。小学4年から東城ファイターズで野球を始め、東城中では軟式野球部に所属。英数学館では、1年春からベンチ入り。最速は147キロ。持ち球はストレート、スライダー、カーブ、カットボール、スプリット。



