超進学校対決 海城がリベンジ初戦突破 東大合格者44年連続1位の開成撃破 3年生半数は東大志望
「高校野球東東京大会、海城6-3開成」(10日、大田スタジアム)
東東京大会では、中高一貫男子校の超進学校対決が実現した。今年度の東大合格者数が150人(既卒含む)で44年連続全国1位の開成と、同49人でトップ10常連の海城が2回戦で激突。海城が「リベンジ」の初戦突破を果たした。
一塁側スタンドには、海のように鮮やかなブルーのTシャツをまとった応援団。超名門対決を制した海城ナインは最高の笑顔でエールに応えた。
3-3の四回に広田大遥(たいよう)内野手(3年)の中前適時打と、主将・山本聡志外野手(3年)の適時内野安打で勝ち越しに成功。医学部志望の先発右腕・星明清(めいせい)投手(3年)が7回7三振3失点の力投を見せるなど、リードを守り抜いた。広田は「勉強では負けてるから野球は頑張ろうと思った」と笑顔で振り返る。
衝撃の敗戦が秀才軍団を強くした。東大野球部に多くのOBを輩出している両校。そのつながりで、3月下旬に初めて2校による練習試合が実現した。だが、結果は9-19の大敗。梶徹監督は「基本的には守備の自滅」と振り返り、山本は「同じように進学校と言われていて、練習時間もだいたい同じはずなのに、大差で負けてしまったことが本当にショックで…。自信をなくしました」と率直な思いを明かす。
それでも、ただでは転ばない。「自分たちは下手くそなんだと自覚して、もう一回熱を入れてやっていこう」。主将を中心に声をかけ合い、限られた時間と環境で猛練習。この日は無失策で投手も2四球のみと成果を示し、雪辱の1勝につなげた。
3年生12人のうち、約半数が東大志望。大半の部員が塾に通う。「この夏の大会をやり切って、勉強に切り替えたい」と山本。全力プレーで、究極の文武両道を体現する。





