酷暑を制するチームがリーグを制する?「長い夏場を乗り切る調整と工夫が大事」と野田浩司氏
パ・リーグは日本ハム、オリックス、ソフトバンクが僅差の大接戦、セ・リーグは阪神が首位を保ってペナントレースの“折り返し点”を過ぎた。果たして今後の行く末は…デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「長い夏場をどう乗り切るか。暑さ対策も重要になる」と語り、猛暑への備えを強調した。
西武の今井が日本ハム戦の試合中に体調不良で交代するというアクシデントがあったが、球場の性質上、熱中症が理由だということはすぐに理解できた。ベルーナドームは屋根こそついていて雨よけにはなるが、完全密閉ではないから空調設備というものがない。一定の隙間は存在するものの空気の循環がよくないのか、グラウンドレベルはサウナ状態だ。
2日のオリックス戦に際しては、滝沢も熱中症でベンチを外れたというニュースを耳にしたが、試合中に限らず、練習のときから選手には暑さによる負担が大きいということなんでしょうね。
世界的な気候変動で暑さに対する意識は年々高まっているが、それにしても暑いですよね。すでに6月からかなり暑い。しかも例年、この状態が9月まで続く。選手にとっては本当にたまらないが、特に先発投手は大変だ。
熱中症対策としてよく言われるのが体を冷やして水分、塩分補給ですよね。マウンドに立つ以上、体を冷やすのは難しいが、ベンチへ帰れば水分は摂れる。
ただし、大量に流れた汗を補うだけの水分をどこまで摂取できるのか。これは自分自身の経験から言うと、そう簡単でもない。
僕の場合はイニングの合間に紙コップに半分か3分の1。麦茶をひと口かふた口だった。降板後はガブ飲みしていたけど、投げている間はお腹がチャポチャポするのが嫌で、あまり飲まなかった。昔ながらの考え方に影響されていたのかもしれない。
一度、グリーンスタジアム神戸での試合で、デーゲームということもあって暑くてフラフラになり、ベンチに降板を申し出たことがあった。今で言う熱中症だったんだと思う。
だが、今は暑さのレベルと種類が違う。この連日の酷暑をどうやってしのいでいくか。各チーム、頭を悩ましているのではないだろうか。
本拠地球場が屋内型のチームは屋外型のチームよりも条件的にいいのは確かでしょう。セ・リーグは巨人と中日。パ・リーグは日本ハムとオリックス、ソフトバンク、西武。
ただ投手の立場からするとローテーション上、ドームから屋外へ移るという環境の変化が、投球に影響するということもある。だから暑さ慣れや屋外慣れも必要になるのでは。
対戦相手とのデータ上の相性だけでなく屋外型球場の向き不向きや暑さに強いタイプかどうかなど。この先、ベンチはそういう条件にも神経を使い、ローテーションを組んでいくことになるのかもしれない。
しかし、最終的には個々の調整や工夫で、この長くて厳しい夏を乗り切るものだと思う。そうやって暑さを克服したチームが最後は笑うんでしょうね。




