DeNA・井上 プロ1号が満塁弾 四国ILp時代「食費1日1000円まで」だった苦労人が大仕事

 「DeNA4-3中日」(2日、横浜スタジアム)

 勝利の景色は格別だった。満塁弾のプロ1号を放ったDeNA・井上が、スタンドからの大声援をかき消すように叫んだ。「ウチュー!!」。先輩らから呼ばれているというあだ名で自己紹介と思いきや、「(ファンからは)ケンティーで大丈夫です」と照れ笑い。白星、笑顔を呼ぶ主役の輝きを放った。

 見せ場は1点を追う初回だ。2死から連打と四球で満塁の絶好機に、昇格即スタメンの井上が低めのフォークをすくい上げるように振り抜いた。打球は右中間席へ着弾。白球がスタンドに消えたのを確認すると、拳を強く握って大きくほえた。

 23年度ドラフト6位で四国ILp徳島から入団。独立リーグ時代はプロの舞台に立つことだけを目指して踏ん張ってきた。「月給も少なくて苦しかった」。食費は1日1000円まで。肉の味付けを日々工夫しながら、米を炊き、自炊生活で基盤を作り上げてきた。

 1日に三浦監督から電話で先発出場を伝えられ、一振りで結果を残した。慣れない左翼での守備もいきなりフェンスに激突しながら好捕するなど、攻守で勝利に貢献。プロ初本塁打の記念球は支えてくれた両親に送る予定だ。目指す3割、30本塁打へ。「その目標にはまだまだだと思うので、練習を重ねていきたいです」。大きな一歩を踏み出した。

 ◆井上 絢登(いのうえ・けんと)2000年2月23日生まれ、25歳。福岡県出身。178センチ、90キロ。右投げ左打ち。内野手。久留米商高、福岡大、四国ILp徳島を経て、23年度ドラフトでDeNAから6位指名。24年4月12日のヤクルト戦(横浜)で代打で1軍初出場、同14日のヤクルト戦で初先発し、プロ初安打を放った。25年は開幕1軍をつかみ取ったが、出場機会がなく2軍へ。イースタンでは1日までに打率・266、8本塁打、40打点をマーク。

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