昨年の日本シリーズでフジテレビの取材証を没収した日本野球機構（ＮＰＢ）が１１日、公正取引委員会から独禁法違反（競争者に対する取引妨害）にあたる恐れがあるとして再発防止を求める警告を受けた。ＮＰＢは同日、「重大な事実誤認」と反論したが、類似のケースで今後は取材証の没収は行わないとした。昨年１１月の野球機構理事会で決定したという。

　フジテレビは、日本Ｓ第１戦を他局が中継した昨年１０月２６日の同時間帯に、ドジャースが出場した米大リーグ・ワールドシリーズのダイジェスト番組を放送。ＮＰＢは「信頼関係が著しく毀損（きそん）された」として取材証を没収していた。

　公取委は、ＮＰＢによる取材証没収および、フジが持っていた日本Ｓ第３戦の放映権を他局に変更しようと調整（実際には放映）したことが、ＭＬＢとの取引をフジテレビにちゅうちょさせる要因になりかねないと指摘した。

　ＮＰＢは「公取委の解釈は完全に間違えている」と見解の相違を主張。取材証没収について中村勝彦事務局長は「他局やスポンサーとの関係性を考えて、そうせざるを得なかった」と説明した。フジからは事前に再放送の相談はなかったという。