「巨人５－０楽天」（８日、東京ドーム）

　天国への旅路に出るミスターを勝利で送り出した。巨人・阿部監督が「素晴らしい試合だった。久しぶりにスカッとした」と称賛の言葉を並べた一戦。両チーム無得点の四回２死一、二塁で岸田が右前への先制適時打を放った。

　さらに八回２死満塁では「出来過ぎ。初球から狙っていたので、一発で仕留められて良かった」と左翼席へプロ初の満塁弾。魅せる野球が信条だった長嶋さんへド派手な弔いの一発を贈った。

　阿部監督は７日の試合後に通夜に参列。「遺影がすごい笑顔で、それが印象的。すごく優しい顔をされていた。感謝を述べてお別れできました」と明かした。

　訃報を受けた際は「神様というのか分からないが、そのような存在」と話した阿部監督。前夜は遺体を乗せた車が東京ドームを一周して通夜会場へ向かい、到着の頃に増田陸と丸の連続弾が飛び出した。「ゾクッときたけどね。長嶋さんが打たせてくれたのもあると思う」とミスターの巨人愛に最敬礼だ。

　通夜にも参列した丸は「長嶋さんが打たせてくれたのかなと、本当にそう思う」とし、長嶋さんが残した伝統を「下の世代に伝えないといけないし、歴史をつないでいくのも大事」と誓った。

　これで連勝となったが「優勝をして良い報告をしたいと思う」と決意を新たにした阿部監督。ミスターの柔らかな笑みを胸に刻み、悲願の日本一達成へ戦い続ける。