巨人 長嶋さん追悼星 丸代打弾!恩返しの今季1号「本当に少しは良い報告ができると思う」 阿部監督も安ど
「巨人2-0楽天」(7日、東京ドーム)
「ミスター」へ弔いの1勝を-。全ての人が待ち望んだ瞬間が、ついに訪れた。「すごくチームを救ってくれた本塁打だったと思う」と巨人・阿部監督が振り返った場面は両チーム無得点で迎えた六回2死。楽天3番手の藤平から増田陸が左翼席への4号ソロで均衡を破ると、打席には代打・丸だ。
「投手が頑張っているのに、僕も含めた打線が点を取れない試合がずっと続いていた。点が入らない現状を、そういう思いを打開したかった」
149キロの直球を完璧に捉えた打球は、右中間の背番号「3」のモニュメントのある方向へ。右中間席へ突き刺さる今季1号のソロとなった。
この2点を守り切って連敗は5でストップ。長嶋茂雄終身名誉監督が3日に永眠してから、チームは長嶋さんにささげる1勝を挙げられない日々が続いていた。阿部監督も「これでホッとしちゃいけないんだけど」としながら「勝っていいところを見せようと(選手に)言っていたので」と安堵(あんど)の表情が浮かんでいた。
丸にとっても長嶋さんは特別な存在だ。「子どもの頃に初めてプロ野球を見た時の巨人の監督が長嶋さん。プロ野球を背負って立っていた方だった」と印象を語る。
2018年オフに広島からFA宣言した際には長嶋さんから直筆の手紙を受け、巨人入りへの背中を押された。4年前にはジャイアンツ球場を訪れた長嶋さんから直接、打撃指導を受け「夢のような時間だった」と振り返る。
自らの本塁打を含む2得点でつかんだ長嶋さんに贈る勝利。ただ丸は「少しは、本当に少しは良い報告ができると思う」と話した。熱い魂に応えるのは、ここからだ。「ミスター」が愛した強い巨人。その姿を見せ続けていく。