日本ハム・金村 オール完投3勝目 116球熱投で1点差守り抜く 新庄監督「しんじょう(心臓)に悪い試合」

 完投勝利を挙げ、石井(奥)と抱き合う金村(撮影・中島達哉)
 お立ち台で石井(左)と笑顔を見せる金村
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 「日本ハム2-1楽天」(9日、エスコンフィールド)

 迷いも弱気もなかった。1点差に詰め寄られた八回を終えて球数は101球。加藤投手コーチの「行くぞ」という続投指令に日本ハム・金村尚真投手(24)は気合十分に歓迎した。「よしって思える自分がいた。そこは成長かな」。九回1死二、三塁のピンチも乗りきって116球の熱投。開幕戦のプロ初完投初完封から、広島・床田に並ぶ今季両リーグトップタイの3完投目で3勝目だ。

 悔しさを無駄にしなかった。4月27日のロッテ戦では6回5失点で2敗目。翌日に出場選手登録を抹消され、間隔を空けてこの日に備えた。投手プレートを踏む位置を一塁側から中央寄りに変更し、セットポジションに入る足の角度も微調整。スプリットの握りも修正した。「この10日を有意義に過ごしたことを、しっかり結果で示さないといけないと思っていた」との言葉を、7安打1失点の快投で現実にした。

 昨季はあと一歩でなかなか達成できなかった完投。加藤貴からの“金言”も効いていた。「『淡々と投げるタイプは、九回も淡々と投げなきゃダメだよ』って言われて、その通りだなと」。先輩左腕と同じように、九回も変わらぬ気持ちを保って結果につなげている。

 五回の山県のセーフティースクイズ失敗など、再三の拙攻もカバーした右腕。新庄監督は「しんじょう(心臓)に悪い試合でした。あとは選手に聞いてあげて」と広報にコメントを託して引き揚げた。ジリジリする一戦制し、貯金4は今季最多タイ。首位・オリックスにゲーム差なしと迫った。

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