DeNA・林が涙のサヨナラ打 観戦の「ばあちゃんが最後って…」 祖父母に届けたド執念好捕
「DeNA4-3広島」(9日、横浜スタジアム)
歓喜の輪の中に、DeNA・林琢真内野手(24)は両手を広げて飛び込んだ。初めて味わう手荒い祝福が心地良い。延長十回1死二塁。無我夢中で振り抜いたバットから、プロ初のサヨナラ打が生まれた。
「毎日、今日が最後の試合だっていう気持ちでグラウンドに立っている。こうしてチームに貢献できて本当に良かった」。静かに喜びをかみしめた。直前の好守が流れを呼び込んだ。延長十回2死二塁。坂倉の打球を追い、三塁側カメラマン席に飛び込みながら捕球。ボールが収まったグラブを高々と掲げて見せた。そのビッグプレーが直後の殊勲打につながった。
活躍を届けたい人がいた。この日、故郷・愛知県から母方の祖父母ら家族が応援に駆けつけた。「ばあちゃんが足が悪くて、きょう見に来るのが最後になるかもって言われていたんで、打てて良かったです」。お立ち台でそう明かすと、林は思わず涙をぬぐった。今年1月には、父方の祖父が死去。「今年は絶対にやってやるんだっていう気持ちでいた」と男泣きした。昨オフには結婚。家庭を持ち、「自分だけの野球人生ではない」とさらなる責任感が芽生えている。
さまざまな役割で貢献する24歳に、三浦監督も「いつもがむしゃらなプレーをしてくれている」と高く評価する。チームは勝率5割に復帰。林は「毎試合、命かけて根性出してやろうと思っている。そんな試合をシーズン終わるまで続けたい」と泥くさく誓った。