ヤクルト・伊藤 プロ初打点がサヨナラ打「人生で一番最高な瞬間」代走登場から八回プロ初安打 高津監督「使い方も広がる」
「ヤクルト3-2巨人」(20日、神宮球場)
ヤクルトは勝利の瞬間、久々に歓喜の輪が広がった。連敗を5で止めたヒーローは両手を上に大きく広げてガッツポーズだ。ナインの手荒い祝福にビショビショになりながら喜びを爆発させた。2年目の伊藤は「人生で一番最高な瞬間でした」と初々しく語り、笑顔が広がった。
2-2の延長十回2死二、三塁。戸田のスライダーを捉え左越えの適時打とした。代打の選択肢もあったが、打席へ送り出してくれた首脳陣の期待に応え、プロ初打点がサヨナラの劇的な一打となった。「抜けてくれと思いました。自分で決めようとは思ったんですけど、頭の中では少し冷静。いい形でヒットになった」とはにかんだ。
代走で途中出場し、八回に右前へプロ初安打を放った。「神宮で打ちたいと思っていたので良かった」と喜びに浸った。延長十回の守備では遊撃手として泉口の二遊間を抜けそうな当たりをダイビングキャッチする好守備も見せた。昼間にはイースタン・ロッテ戦(浦和)に出場しナイターでも奮闘。「本当に内容の濃い、今までにない1日だった」としみじみと語った。
チームは9日以来、11日ぶりの白星。今季開幕から6戦目で巨人戦初勝利を挙げた。守備力が高く打力も上がった伊藤に、高津監督は「使い方も広がる」と目を細める。故障で主砲・村上が離脱している中、“新戦力”が躍動した。
◆伊藤 琉偉(いとう・リゅうい)2002年9月11日生まれ、22歳。群馬県出身。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。内野手。東農大二高、東農大(中退)を経てBC・新潟から23年度ドラフト5位でヤクルトに入団した。24年5月11日の巨人戦(神宮)で八回から二塁手として1軍初出場。昨季はイースタンで主に遊撃手として95試合に出場し、打率・221、11盗塁をマークした。