ヤクルト・石川が24年連続勝利「つば九郎が勝たせてくれたのかな」 31年前につば九郎がデビューした4月9日にプロ野球記録達成
「阪神3-5ヤクルト」(9日、甲子園球場)
プロ野球新記録の24年連続勝利達成の瞬間を三塁ベンチから見守ったヤクルト・石川は、手を3度叩き、周囲とハイタッチで喜んだ。高津監督からウイニングボールを受け取ると、大事そうにポケットにしまった。
二回に自らの本塁悪送球もあって3点を先制された。それでもその後は得点を与えず、5回5安打3失点(自責点1)。味方打線が六回、相手のミスにもつけこんで一挙5点を奪って逆転し、プロ1年目の2002年から24年連続勝利の権利が転がり込んだ。
今年2月に「つば九郎」の担当者の死去が発表された。くしくも、ヤクルトの球団マスコット「つば九郎」がデビューしたのが、31年前の1994年4月9日、神宮での阪神戦。試合後、石川は「つば九郎とは常に、今も一緒に戦っているつもりでいる」と言い、「大きな大きな声援を送ってくれていると思う。そういう日に勝てたのは、勝たせてくれたのかなと思う」と感慨深げに話した。
グラウンドでのヒーローインタビューでは「本当に一人でできる数字ではない。支えてくれた家族、使い続けてくれた監督、コーチ。そしてファンの皆さんのおかげ。なんとかまた1軍のマウンドに立てたことが本当にうれしい」とまず周囲に感謝。「プロ野球選手でいる以上は、1試合でも多く1軍のマウンドに立ちたいし、一つでも多く勝ちたいという思いがある。年齢は重ねたが必死に必死にやっている」とプライドをのぞかせた。
ポケットにしまったウイニングボールをどうするか問われると「家族にしっかりと渡したい」と笑顔を見せた。
球界最年長の45歳。「ボールはそんなに速くないが、考え方だったり、取り組み次第では自分の良さを出して1軍のゲームでなんとか勝負できるというところを自分自身、この24年間やってきた。そういうところを若手と一緒に切磋琢磨(せっさたくま)して今後もやっていきたい」と話した。
最後にあらためて今季の目標を「1試合でも多く1軍の試合に立って、チームに勝利をもってこられるように」と話し、甲子園の左翼スタンドのファンに「きょうも大きなご声援、どうもありがとうございました。この2年は悔しいシーズンが続いているので、チーム一丸となって1勝1勝を積み重ねて。自分自身もまた一つ一つ積み重ねられるように必死に頑張りたいと思う」と約束した。





