東京六大学野球連盟創設100周年 阪神・岡田顧問 早大で三冠王、通算打率&打点は今も連盟記録 忘れられない-78年秋、早慶戦制し優勝の大フィーバー

 東京六大学野球秋季リーグで史上4人目の三冠王となった早大・岡田彰布=1978年
 早大時代の岡田顧問=1979年
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 東京六大学野球は今年、連盟創設100周年を迎える。阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)は1976~79年まで早大でプレー。3年秋に三冠王に輝き、今も破られていない通算打率・379&同81打点の連盟記録を樹立した。ドラフト1位での阪神入団へつながった東京六大学での経験を振り返りながら、新たなスター選手の出現を期待。今後も魅力的なリーグであり続けることを願った。

  ◇  ◇

 早稲田を目指そうと思ったきっかけは、幼い頃にNHKで放送されていた六大学の中継を見とったから。襟付きユニホームと八角帽が格好よくて、憧れたんよなあ。

 北陽3年の時はプロも見てくれて、他の大学も声をかけてくれてた。でも、早稲田を滑ったら浪人するって断ったわ。早稲田へ行くために野球部の練習会に行って、プレーを評価された人だけが試験対策の勉強会に集められてなあ。勉強が難しくて途中で諦める人も多かったけど、俺は現役で合格できた。

 入学時から六大学のレベルは高かったで。特に法政は2学年上の江川卓さん(元巨人)と袴田英利さん(元ロッテ)のバッテリーやプロ入りする選手が多くて強かった。俺が1年春から2年秋まで4連覇されたし、入学した時は「打倒・法政」って言うてたもんな。

 明治にも1学年上の鹿取義隆さん(元巨人)、高橋三千丈さん(元中日)の投手二枚看板がいたし、俺が1年時の早稲田4年生も3人がプロ入りした。そういう先輩がプロでもある程度活躍してたから「俺もいけるな」って、そういう比較にはなったな。

 一番の思い出は3年秋の優勝やな。最終週は8勝1敗、勝ち点4で慶応と並んで早慶戦よ。

 そら、周囲も盛り上がったで。学生は1週間前から神宮の周りにこたつを持って行って並んどったわ。朝になったら学校へ行って、授業終わったら帰ってきて。こたつの上で麻雀したり、夜になったら酒飲んでたわ。

 だから、早慶の野球部のマネジャーは夜9時になったら見回りに行かなあかんねん。いつも急性アルコール中毒が出て救急車が何台も来てたから(笑)。今では考えられへんけど、それぐらいの盛り上がりやったわ。

 優勝した後は客がグラウンドになだれ込んできとったし、優勝パレードもすごい人やったで。学生に囲まれて口紅、頬紅がユニホームに付いて取れへんかった。(早大の旧選手寮は)新宿が近かったから焼き鳥屋とかもお祝いでタダやし、歌舞伎町でも早稲田の旗を振りまくっとったしな。ほんま盛り上がったなあ。

 今振り返っても、大学に行ってよかったと思うな。ある程度の成績も残せたし、4年間で野球も勉強になった。でも、一番の財産はやっぱりアレや、人間関係やで。卒業して40年以上がたつけど、今も大学の同級生が一番の友達やもんな。社会に出ても卒業生がいっぱいおるしなあ。

 今も六大学は見てるけど、最近はええ選手はおっても、ものすごいスターは出てきてないよなあ。長嶋茂雄さん(立大、元巨人)や、江川さんや、田淵さん(法大、元阪神など)の本塁打記録を塗り替えた高橋由伸(慶大、元巨人)クラスの選手やな。そういう選手がいれば、リーグ全体のレベルも上がるしな。やっぱりこれからも注目を集める六大学であってほしいよな。

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