オリックス・麦谷 初長打&初マルチ 仙台出身、小学2年時に被災「夢と感動を与えたい」

 「オープン戦、中日3-4オリックス」(11日、バンテリンドーム)

 オリックスのドラフト1位の麦谷(富士大)が初長打&初マルチを記録した。「1番・中堅」で出場し、同い年の高橋宏から、初回は153キロ直球を左中間へ先制点の口火となる二塁打。五回にも直球を右越えの二塁打にし、追加点につなげた。

 「こういう日に活躍できたことは本当にうれしい」。東日本大震災から14年。当時、小学2年生だった麦谷は仙台市で被災。学校にいるときに地震が起こり、黒板が倒れた。親が迎えに来て自宅に戻ると、津波が押し寄せてくるのが見えた。「何週間か、体育館で避難所生活をした」。数日後、知り合いが亡くなったと聞かされた。

 95年の阪神・淡路大震災では、その年にオリックスが優勝。東日本大震災の時は13年に楽天が日本一になった。麦谷は「野球の力ってすごいな。いろいろな人のためを思ってやる人だったり、何事かを成し遂げる人は強い」と感じたという。

 「僕はプロ野球に夢を与えてもらった。今度は僕が夢と感動を与えたい」。これでオープン戦は11打数4安打の打率・364。開幕スタメンへ強烈なアピールとなった。

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