横浜・林田大翼マネジャー「日本一のマネジャーが目標」葛藤の末に転向 チーム支える欠かせぬ存在
「選抜高校野球・選考委員会」(24日、大阪市内)
第97回選抜高校野球大会(3月7日抽選、同18日開幕・甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で開かれ、昨秋近畿大会王者の東洋大姫路など32校が選出された。昨秋明治神宮大会を制した横浜は、織田翔希投手(1年)を中心に、2006年以来19年ぶりの春のセンバツ優勝を目指す。
最強の横浜を作り上げる上で、欠かせない存在がいる。チーム唯一のマネジャー・林田大翼(つばさ)さん(2年)だ。
昨年8月下旬。内野手としてプレーしていた林田さんはマネジャーへの転向を打診された。「悔しさと、どうしたら良いんだろうと混乱して…」。涙があふれた。
「お父さんを超えたい」とOBだった父・光伸さんの背中を追い名門へ入学。だからこそ、簡単には下せない決断だった。悩むあまり1週間ほどグラウンドに行くことができず。それでも、わき上がった思いがある。
「このチームで日本一になりたい」-。村田監督からは「おまえがやってくれればチームが変わる」と伝えられ「チームのためになるなら自分がやろうと」と決意した。
最初は慣れない仕事に苦戦。マネジャー転向後初めての遠征では、荷物の積み込み作業を知らず、チームの野球道具を忘れてしまうハプニングも。さらに、選手として続けてほしい思いがあった光伸さんは猛反対。口もきいてもらえなかった。
ただ「決めたことなので選手に戻りたいとは思いません」と林田さん。土日の練習は一番にグラウンドへ到着し、来客の対応や選手の相談役などチームのために常に動き回る。主将の阿部葉は「主将より大事な存在」と感謝。光伸さんも次第に認めてくれ「今は『大翼はどうなりたいんだ』と話してくれたりします」と見守ってくれている。
「日本一のマネジャーが目標」と林田さん。新たな形で父を超え、夢を追う。
◇林田 大翼(はやしだ・つばさ)2007年10月3日生まれ、17歳。横浜市出身。瀬戸ケ谷小3年から清水ケ丘ジャイアンツで野球を始め、永田中では横浜旭峰ポニーに所属。横浜では右投げ右打ちの内野手としてプレーし、2年春の地区大会で1度ベンチ入り。優勝した昨秋の明治神宮大会では全試合に記録員としてベンチ入り。