高校から野球を始めた阿南光・藤崎健 憧れの甲子園出場に感無量「こんな幸せなことはない」

 「選抜高校野球・準々決勝、星稜5-0阿南光」(28日、甲子園球場)

 阿南光は星稜に完封負けし、春夏通じて初のベスト4入りを逃した。高校から野球を始めた背番号19の藤崎健外野手(3年)は「野球を好きで始めたので、入ってからも嫌いになることもなくてずっと野球が楽しかった。それで甲子園に行けたのでこんなに幸せなことはない」と存分に甲子園を楽しんだ。

 父の影響で幼少期から阪神ファンで、現在もファンクラブに入っているという藤崎。中学卒業までは水泳に打ち込んでいたが、中3時に当時エースの森山暁生投手(現中日)を擁した阿南光を見て、「かっこいいなと。僕も阿南光に行ったらもしかしたら甲子園に行けるかもしれないと思った」と進学を決め、野球部に入部した。

 憧れの地にたどり着くまで、周りの支えも大きかった。入部当時を振り返り、父の哲三さんは「けがするから辞めといた方が良いんじゃないかと思った」と明かす。それでも藤崎の意思は変わらず、白球を追い始めた。母・ゆかりさんは特に食事面でサポート。食トレのレシピ本を購入してカロリーまで計算された食事を出した。その結果、42キロだった体重は61キロまで増加した。

 初めてベンチ入りしたのは昨秋。哲三さんは「(本人も)うれしそうで、家族もうれしかった。特に一番にお母さんに言いたかったみたいで。背番号17番をもらえたと喜んでました」と思い返す。背番号はもちろん、ゆかりさんがユニホームに縫い付けた。

 センバツは19番でベンチ入りし、この日は哲三さんがアルプススタンド、ゆかりさんは祖父とテレビで観戦。藤崎は出場はなかったが、「ずっと甲子園のスタンドで応援していた側だったんですけど、阿南光で野球を始めてベンチ入りできて、今までと違う角度で応援できたのでうれしかった。(支えてくれた両親には)今までの感謝を伝えるために頑張ってきたので、ちょっとでもそれが伝わってくれたら」と照れくさそうに話す。

 将来は水族館の飼育員になるのが夢といい、「ずっと生き物とか動物が好きだった。(卒業後は)大阪の専門学校に行く予定なので、これからもっと阪神の応援もいけます」とはにかむ。

 夏に向けては「もうちょっと体重とかを増やして、もっと野球選手みたいな体型になってもっと打球を飛ばせるようにしたい」と成長した姿で甲子園に戻ってくることを誓った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス