日本航空石川 帽子のつばに「共にがんばろう石川」 復興への思い込め聖地での躍動誓う

 第96回選抜高校野球大会(18日開幕)の出場校による甲子園練習が14日、行われた。学校が能登半島地震の被害を受けた日本航空石川はナイン全員が帽子のつばの裏に「笑顔 感謝 恩返し 石川県のために 共にがんばろう石川」の文字を記して参加。ミーティングを重ねて決めたスローガンに復興への思いを込め、聖地での躍動を誓った。

 練習開始のサイレンと明るいかけ声が銀傘に反響した。「元気出していこう!!」。主将・宝田(ほうだ)一慧外野手(3年)の合図とともに、日本航空石川ナインが元気いっぱいグラウンドへ駆け出す。憧れの場所で大好きな野球ができる喜び。笑顔も多く垣間見える30分間だった。

 「目指してきた場所なので、初めて入った時はうれしかったです。球場の雰囲気だったり、土、芝生の感じを確認できたのは良かった。本番は緊張すると思うので、雰囲気に慣れることは意識してやっていました」

 思いは一つだ。前日、宿舎ではメンバー全員が油性マジックを握っていた。「笑顔 感謝 恩返し 石川県のために 共にがんばろう石川」。帽子に書き込んだスローガンは、傷ついた心を再び一つにするために重ねてきたミーティングで、決めたものだ。

 「まだまだ苦しんでいる方はたくさんいる。自分たちは、こうやって素晴らしいところで野球ができることに感謝して。被災地の方もこれから復興に向けて頑張っていくと思うので、自分たちも甲子園で、一緒に頑張っていければと思いました」と込めた思いを説明した宝田。「試合中にみんなで気持ちをもう一度確認し合うというところで書きました」。不安になった時、ピンチの時、勇気を出す時、立ち返るのは“故郷”への思いだ。

 ノックを打ち、選手たちの動きを見守った中村隆監督(39)は「みんな緊張していたな、表情硬かったなと思ったんですけど、やっていくうちに伸び伸びと楽しそうにやっていた」と安堵(あんど)。「エラーしても、打ち損じても、全然恥ずかしいことない。当日、いいイメージを持っていけるよう取り組もうと話してやってました」とハツラツとしたプレーに期待した。

 大トリの第6日1回戦で常総学院と対戦予定。思いを込めた一投一打が、被災地の明日へとつながる。

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