ヤクルト・奥川 2年ぶり1軍マウンド“第3のスライダー”携え復活への一歩 手応え2回0封

 「練習試合、ヤクルト4-2中日」(18日、ANA BALL PARK浦添)

 ヤクルトの奥川恭伸投手(22)が、新球種を携えて2年ぶりの1軍へ帰ってきた。中日との練習試合で先発し、2回2安打無失点に笑顔満開。「新しく取り組んでいたスライダーの反応が良かったですし、真っすぐもまずまずファウルを取れたので、1回目にしては良かった」。右肘痛からの完全復活へ。大きな一歩目を踏み出した。

 1死を奪うごとに起こった拍手が、1球ごとの声援に変わっていった。汗ばむ陽気の浦添で帰ってきた背番号18の姿。初実戦で最速149キロを計測するほど順調な調整ぶりで、復活を予感させるには十分な28球だった。

 登板後に明かした新球種がある。もともと緩急を使い分ける2種類のスライダーを投じていたが、昨年の松山秋季キャンプから曲がり幅の調整を加えた第3のスライダーにも挑戦中。伊藤投手コーチからも助言をもらったといい「持っているスライダーの中間。そんな感じのイメージで使いたい」と、投球の幅を今後さらに広げる作戦だ。

 今季初登板でいきなり試投し、2番・辻本を投ゴロ、4番・細川を三振に斬って取るなど手応えも得た。「今日使ってみて反応がよかったので、それが一つ良かったところかなって感じですね」。確かな充実感に笑みもにじんだ。

 目指す開幕へ。戦いはまだ始まったばかり。内山との星稜バッテリーにも「(1軍公式戦でも)組めるように僕が頑張らないといけない」と表情を引き締め、「もっと全体のレベルを上げていかないといけない」と言い切る。悔しさを味わった2年間を糧に、帰りたい“場所”まで突き進む。

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