オリックス“ナカジマジック”不発 ワゲスパック乱調で満塁策も大山にサヨナラ打献上「不安材料出ちゃった」
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-3オリックス・バファローズ」(1日、甲子園球場)
1球ごとに高まる熱気。黄色の大合唱も耳をふさぎたくなるほど大きくなっていく。そんな中、オリックス・中嶋監督は勝負に出た。ワゲスパックが九回1死一塁から2つの暴投で1死三塁に。そこから中野と、森下を連続で申告敬遠とし、4番・大山との対決を選択した。
「本当は(走者を)ためたくなかったんですけど、球を扱えてないといいますか。ストライクゾーンに入らないという不安材料が出ちゃったのかな」
阪神ファンの大声援は鳴りやまない。四球でもサヨナラ負けの中、3球連続でボール。フルカウントまで持っていったが、最後はツーシームを左前へ運ばれた。「彼にうまく打たれてしまった。どんな状況でも自分はできると信じている。また準備するしかない」と助っ人右腕。勝負手は実らなかった。
悔やまれたのは、攻撃においてもだ。二回に頓宮の三塁打から紅林が同点打。七回も宗が同点の2点適時二塁打は放つも、勝ち越し打は生まれない。八回には1死一、三塁からT-岡田を代打に送るも、相手投手が島本となり代打の代打で安達を投入。手は尽くしたが、本塁は遠かった。
「1回も追い越せなかった。本当にいい抑えられ方をしている。これがこういう(短期決戦の)戦いなのかなと思います」と指揮官。一進一退の手に汗握る激戦。山崎颯がコンディション不良で2試合連続、杉本は左足首の負傷で4試合連続のベンチ外という手負いの状況。それでも、チーム一丸であと2勝をつかむしかない。
悔しい敗戦も、まだ2勝2敗の五分だ。「取り返す期間が短い。あす、何とかやっていきたい」。中嶋監督は誰も責めることはなかった。敵地でも少数のファンが必死の応援で背中を押してくれる。最後に笑うため、死力を尽くす。





