日本ハム・新庄監督、粋な演出連発で引退・木村の涙腺崩壊「協力できることがあったら何でも相談して」
「埼玉西武ライオンズ4-1北海道日本ハムファイターズ」(20日、ベルーナドーム)
今季限りでの引退を表明している日本ハム・木村文紀外野手(35)が、古巣西武との一戦に4番・右翼で今季初出場。17年間の現役生活の大半を過ごした西武と最後の2年余りプレーした日本ハム。縁のある両チームの今季最終戦対戦で飾る花道で、新庄監督の演出が感動を広げた。
初回の第1打席は右飛に倒れ、右翼の守備に就く。右翼席に陣取る日本ハムファンを背にプレーした。三回裏の守りでは新庄監督は木村のポジションを左翼に移した。今度は左翼席に陣取る西武ファンの前。木村はイニング前に一礼。西武ファンも大きな拍手で迎えた。
新庄監督は「ファイターズのファン、2年間でしたけど、その方々に守っているところを見せて、15年間木村君のことを応援してくれた西武のファンみんなに最後の姿を見せてね」とその意図を明かした。
木村は四回の第二打席で二塁打を放った。当初から2打席の予定。現役ラストで有終の美を飾ったはずが、その裏に一度、左翼の守備に就いた。その後で、新庄監督が交代を告げた。
引き揚げる際に、敵味方関係なく両軍ファンから大きな拍手。そして両軍がベンチ前で整列する中で、まずは三塁側ベンチで西武ナイン全員と握手して涙。続いて一塁ベンチ前で新庄監督と抱擁し、言葉を交わすと、もう号泣。涙ながらに、日本ハムナインと握手やタッチを交わした。試合中に行われた引退セレモニーのようだった。
新庄監督は「交代した時にライオンズのベンチの前を通って、握手してもらいたいなと思って。そういう風な。僕の精いっぱいのない頭を振り絞って。どうすか?あれ。良かったですか?」と種明かし。ポジションの交代、最後に左翼を守らせ、いったん守備位置についたら交代させる。その際に、一塁側ベンチに帰る前に三塁側ベンチ前を通る。計算づくの“演出”だった。
木村は涙の訳を語る。「こういう形で僕のことを最後に4番で使ってくれて感動しましたし、ファイターズで活躍できなかった悔しさもあった。ダブルの涙が出てきました」。様々な思いがこみ上げた涙だった。
試合後、新庄監督のコメントにも愛であふれていた。木村とのやり取りについて、「プレーひとつにしても野球選手としてのオーラがある選手だったし、今後も次のステージで。協力できることがあれば、何でも相談してっていう話しをして今、別れました」と、エールを送った。





