ロッテ・種市 進化の要因は阪神・大竹直伝のツーシーム 右肘手術から復帰、自己最多10勝
2020年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受けたロッテ・種市篤暉投手(24)が今季から本格復帰し、キャリアハイの10勝を挙げている。好成績を支えるのが阪神・大竹直伝の新球・ツーシーム。研究熱心な右腕が習得した新たな武器と共にエース道を究める。
2020年9月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から今季本格復帰し、自己最多の10勝を挙げている種市。エースとしてローテを支える右腕は新球のツーシームを駆使し、チームを引っ張っている。
投球に変化を付けたかった。そこで、最速155キロの直球とフォークとの間の球として選んだのがツーシームだ。
「例えば2ボール発進とかでも、ここ真っすぐ通さなきゃいけないっていうとこでも、ちょっと変化させたいし、ゾーンにも投げたいと思った時に、ツーシームが一番いい」
他選手のデータを見る中で、目に留まったのは「全部真っすぐに見える」という阪神・大竹の球。習得のため、大竹の早大時代の後輩であるチームメートの小島に仲介してもらい、助言をもらったという。
「(LINEで)2分ぐらいの動画を送ってくれて、文章でも丁寧に教えてくれて。めちゃくちゃ感謝してます。握りはオーソドックス。シュートして詰まらせたいっていうよりは、沈めてゴロを打たせたいっていう感覚」
初めて試合で投げたのは、大竹に尋ねてわずか2日後の8月10日・オリックス戦だ。早速、新球を織り交ぜ、7回4安打無失点。それからは3試合に登板し、ここまで10勝5敗、奪三振数はリーグトップの136。投球の幅が広がり、余裕も生まれた。
「聞いた時に『この感覚投げれるわ』と思ってブルペンでちょっと投げて。(試合で)投げてみるかみたいな感じで投げたら、結構反応が良かった。困ったら真っすぐにならなくなったので、そこが一番大きい」
佐々木朗を欠く中、吉井監督からエースとして信頼を寄せられている研究熱心な右腕。「しっかり自分の投球でチームを勝たせることが、結果的に引っ張るっていう形になれば」。首位オリックスとのゲーム差は今季最大の10・5と開いているが、諦めずに腕を振り続ける。