「全国高校野球選手権・決勝、慶応８－２仙台育英」（２３日、甲子園球場）

　仙台育英（宮城）は連覇ならず、準優勝に終わった。

　先発の湯田、背番号１の高橋が慶応打線に捕まり、五回までにまさかの８失点。打線も慶応の鈴木、小宅を打てず、７安打で２点止まりだった。

　敗戦直後、整列に向かう湯田はもう涙が止まらず。つられるように主将の山田、高橋も悔し涙があふれた。それでも、須江監督は練習試合も行う慶応の森林監督に「おめでとうございます」と言葉をかけ、インタビューを受ける敵将に三塁ベンチから拍手も送った。

　報道陣の取材には「慶応がただただ強かった。完敗です。選手たちも最高のプレーをしてくれた。点差は開いたが、最高のベストゲームだった」と選手をたたえた。敗戦にも胸を張り、「２年間で頂点、あとひとつの悔しさ、ともに味わうことができた。人生は敗者復活です。この経験を次に生かします」と語り、昨年優勝時の「青春は密ですから」に続き、“名言”も残した。

　試合後、涙が止まらない仙台育英ナインだったが、優勝インタビューを受ける慶応の主将大村、丸田に真っすぐ視線を送り、全員で拍手を送った。

　ネットからは「異様な重圧から解放された」、「胸を張って下さい」、「お疲れ様でした」などの声が寄せられた。