花巻東・佐々木麟太郎 初の夏切符!140発スラッガー歓喜の涙「ここからが本番」

 甲子園出場を決め闘志を燃やす花巻東・佐々木麟(撮影・開出牧)
 甲子園出場を決めてナインとガッツポーズの佐々木麟(前列左から4人目)
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 「高校野球岩手大会・決勝、花巻東10-0盛岡三」(26日、きたぎんボールパーク)

 岩手大会では花巻東が4年ぶり11度目の優勝を果たした。歴代最多とされる高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手は「3番・一塁」で先発し、1安打1打点。2年春以来で、夏は初めての甲子園切符を手にし、涙を流した。広島大会では広陵・真鍋慧内野手が先制弾で決勝進出に貢献。大阪桐蔭・前田悠伍投手、九州国際大付・佐倉侠史朗内野手も勝ち上がっており、今夏は3年生の「四天王」が甲子園に集結する可能性が高まってきた。

 マウンドで仲間と人さし指を空に突き上げると、佐々木麟の目には涙があふれた。「うれしかったし、苦しかった。苦しい中で勝ち上がってこられたので。くじけずに戦い切れたのが胸にこみ上げてきた」。スタンドへのあいさつを終え、仲間と抱き合って喜んだ。

 苦しい夏だった。大会前に背中を痛めた影響で思うように状態が上がらず。それでも、チーム打撃で貢献した。6-0の四回1死二塁、左前適時打を放ちダメ押しの1点を追加。「チームが勝つこと、点を取ることしか考えていなかった」と外角スライダーを逆らわずに逆方向に運んだ。

 指揮官にも最高の贈り物だ。27日は父でもある佐々木洋監督の48歳の誕生日で、試合前には「もしよかったら誕生日プレゼントは勝利でお願いしたい」と言われていた。チーム全員で前祝いとなる勝利と3度、宙に舞う胴上げをプレゼント。息子として、選手として、「監督さんも苦しい思いをしていたと思うので、優勝できたのはうれしい」と笑みを浮かべた。

 悔しさを晴らす時が来た。初めて甲子園の土を踏んだ2年春のセンバツは1回戦・市和歌山戦で、4打数無安打2三振でチームは敗戦。ふがいなさが残ったからこそ、最後の夏は「逆襲」をテーマに戦う。3年間で夏は初めての聖地切符を手にしたが、「あくまで岩手大会は日本一の段階を踏む大会。ここからが本番」と本当の「逆襲」はここからだ。

 歴代最多とされる高校通算140本塁打を誇るスラッガー。聖地での一発にも期待がかかり、「(長打力は)一個の武器でもある。全力尽くして1打席1打席かみしめたい」と自身初の甲子園アーチを思い描く。「今日はうれしい気持ちがあるけど、また気を入れ替えてさらに強くなれるようにやっていきたい。ピークはまだまだ」。怪物が、2度目の甲子園でほえまくる。

 ◆佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日生まれ、18歳。岩手県北上市出身。184センチ、113キロ。右投げ左打ち、内野手。幼少期から野球を始め、江釣子小1年から江釣子ジュニアスポーツ少年団に所属。江釣子中時代は金ケ崎リトルシニアでプレーした。花巻東では1年春からベンチ入り。高校通算140本塁打。50メートル走6秒9、遠投100メートル。

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