敗れても智弁和歌山のフェアプレー精神に称賛の嵐 相手選手負傷でランナーコーチが猛ダッシュ アルプス席は大拍手で鼓舞

 8回、捕手の二塁への送球を左腕に受けた英明・寿賀弘都(右)に駆け寄る智弁和歌山のベースコーチ(撮影・伊藤笙子)
 8回、捕手の二塁への送球を左腕に受けた英明・寿賀弘都(右下)に駆け寄る智弁和歌山のベースコーチたち(撮影・伊藤笙子)
 初戦敗退に終わり、一礼してグラウンドを去る智弁和歌山・中谷仁監督(撮影・伊藤笙子)
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 「選抜高校野球・2回戦、英明3-2智弁和歌山」(19日、甲子園球場)

 智弁和歌山は無念の2季連続初戦敗退。だが、選手、応援団のフェアプレー精神にネットで称賛の声が上がっている。

 「智弁和歌山の選手がコールドスプレーを持って駆け寄る姿は、心にくるものがありました」、「智弁のベースコーチが凄い勢いで走ってきた」、「大阪桐蔭もそうだったが、これが高校野球の良いところ」、「伝統校らしくて素晴らしい行動だった」

 ファンが注目したのは智弁和歌山の八回の攻撃、1点差に迫り、なお1死二、三塁のチャンス。英明の捕手・中浦が二塁にけん制球を投げたが、このボールが投手・寿賀の左腕付近に直撃した。

 その場でうずくまった瞬間、猛ダッシュで駆け寄ったのが智弁和歌山の一、三塁のランナーコーチだった。球場が騒然となる中、一塁コーチャーの高桑京士郎選手がしゃがみこんで寿賀に声かけ。ともにコールドスプレーを持ち、寿賀の処置をしようという行動だった。寿賀はベンチ裏で治療した後、再びマウンドに上がった。

 迫力ある応援で知られる智弁和歌山のアルプス席からは、寿賀の姿が見えた瞬間、大きな拍手。敵味方関係なく、甲子園全体から熱い思いが送られた。

 結果的に智弁和歌山は左腕の執念に押され、絶好機を逃して追いつくことができず。無念の敗退となったが、高校野球ファンの心をあらためてつかんだシーンだった。

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