入来智さん告別式 弟の祐作氏が涙ながらにあいさつ「兄貴も喜んでいる」最後の声かけ「行くぞ!」で出棺
プロ野球のヤクルトや巨人で投手として活躍し、10日に交通事故のため亡くなった入来智氏(享年55)の告別式が13日、宮崎県都城市内で行われた。
喪主は父・喜門さんが務め、実弟の祐作氏(50)=現オリックス投手コーチ=も参列。祐作氏は涙を流しながらあいさつし「本日は急なところ兄貴の葬儀に立ち会っていただき、感謝しています」と頭を下げた。
続けて、「間違いなく兄貴も喜んでいると思います。いつも危なっかしい兄貴でいつも体当たりな人でした。私が野球をできているのも兄貴のおかげだと思っています」などと思い出を語り、「ずっと兄貴のことを追いかけてきましたけど、もう追いかけることができない。寂しいですけど…。これからは入来家の先頭に立っていきたいと思っています」と声を振り絞った。
出棺の際には祐作氏が「行くぞ!」と声かけ。「僕と兄貴の会話はいつもけんか腰だったから」、「気合い入れて行けよ、という感じです」と、思いを伝えた。
祐作氏は今年1月末に「母ちゃんの命日」に実家を訪れ、智さんに会ったばかり。「天国に行ってもいろんな人を笑わせて、騒いでいると思います。これからも何かあれば兄貴のことを思い出してくれるとありがたいです」と語った。
智さんは10日午後9時50分、都城市内の市道で、運転していた軽自動車が普通乗用車と出合い頭に衝突。同11時45分に死亡が確認された。
同氏は1989年度ドラフト6位で近鉄に入団。「入来兄弟」の兄として注目され、ヤクルト時代の01年は自己最多の10勝3敗、防御率2・85と活躍し、リーグ優勝に大きく貢献した。現役引退後、近年は故郷の都城市で介護士として働いていた。



