「オリックス春季キャンプ」（４日、宮崎）

　オリックスの山下舜平大投手（２０）が今キャンプで初めてブルペン入りし、捕手を立たせて２０球、座らせて３０球を投げ込んだ。ブルペン捕手も手を痛がるほど威力抜群。高卒３年目のドラ１が、飛躍を予感させた。

　中嶋監督らが見守る中、身長１９０センチ、体重９８キロの屈強な体から豪快な球が放たれる。「ドンッ」とミット音が響き、最速は１５４キロを計測した。まだ、８割程度の力加減。１５０キロ超えにも「出ると思ってなかった。まだ、これからかな」と余裕さえ感じさせた。

　昨季も１軍デビューはお預けとなったが、ＣＳファイナルＳと日本シリーズではベンチ入り。登板こそなかったものの、１軍の空気は吸った。１１月２４日に両足首付近の三角骨摘出手術を受け、１月中旬から投球練習を再開したばかりだが、そんな影響もまったく感じさせなかった。

　自身の最速は昨季の１５６キロ。この調子なら、１６０キロも見えてくるが「１６５キロを目標にして、やっていこうと思っている」と日本選手最速を見据える。フォークの習得にも熱心に取り組み「使える球を目指しています」。直球、カーブとの組み立てで投球の幅もさらに広がりそうだ。

　今季は開幕ローテ入りも狙う。「あのローテーションに割って入らないと投げられない」。若き右腕がベールを脱ぎ、山本や宮城ら強力先発陣に食い込んでいく。

　◆山下　舜平大（やました・しゅんぺいた）２００２年７月１６日生まれ、２０歳。福岡市出身。１９０センチ、９８キロ。右投げ右打ち。投手。福岡大大濠から２０年度ドラフト１位でオリックス入団。１軍登板なし。昨季はウエスタン８試合で２勝２敗、防御率３・３１。