21世紀枠は氷見、城東、石橋 ゼッターランド委員「大変悩みました」
「選抜高校野球・選考委員会」(27日、大阪市内)
21世紀枠が発表され、東日本で北信越地区の氷見(富山)、西日本で四国地区の城東(徳島)、3校目として石橋(栃木)が選出された。
選考にあたっては、午前8時半からの21世紀枠推薦理由説明会で9校それぞれの説明を受けた後、特別選考委員15人が東日本と西日本に分けて選出にふさわしいと思う順位をつけ、21世紀枠特別選考委員会で議論が行われた。
選出理由については次の通り
◆氷見(富山)
総合的に評価が高く、過去に21世紀枠での選出がなかった富山県から氷見が選出された。人口減少の進む氷見市内唯一の高校。選手の大半が市内出身で、地元の小学生向けの野球教室など普及活動に積極的に取り組む。
昨夏の富山大会決勝では九回2死2ストライクまでリードしたものの逆転負けし、悔しい思いをした。選手が少ないことから、各選手が複数ポジションを兼務し、別のポジションの立場に立ち野球を多角的に経験することによってチーム力を高めるだけでなく、将来の指導者としても育てるという未来志向の取り組みも評価された。
◆城東(徳島)
西日本では、評価の高かった2校を中心に検討が進められ、最終的に城東が選出された。創立120年の県内屈指の進学校で、高いレベルで文武両道を実践している。
部員数が13人と少ない中で「主体的に考える野球」をテーマにメニューの多くを選手自らが考案。「バントゲーム」という練習では、バントのみで得点を目指し、走塁感覚や対応力を磨くなど、練習時間や練習場所の少なさを創意工夫で補ってきた。
◆石橋(栃木)
残った7校全校が甲乙付けがたいとして再度、選出にふさわしいと思う順位を投票。その中で評価の高かった3校で比較、検討が進められ、最後は決選投票で石橋を選んだ。
昨年度は学年の半数以上が国公立大学に合格した進学校ながら、近年は県大会準優勝や地区大会進出など好成績を収めている。毎年12月にNPO法人と協力して地域の小学生を対象に肩肘検診を兼ねた野球教室を開催するなど、地域貢献と障害予防、野球人口増加の一翼を担っている。「長く野球を続けてもらう」という狙いを持って障害予防に高い意識を持ち、先駆的な取り組みにつなげている点の評価が高かった。
▽ヨーコ・ゼッターランド委員
「各校とも甲乙つけがたく、選考の際は大変悩みました。少子化が進むなかで、チームスポーツを成立させるための工夫や、スポーツを通じて地域とどのように関わり、社会を構成する一員、一団体として好循環を生み出すことができるかを考え、取り組まれている姿がすばらしいと思います」
▽小野塚康之委員
「激論の末、氷見、城東、石橋の3校に決まりましたが、私自身も相当悩みました。氷見は選手、チーム、地域の熱を、城東は伝統がありアイデアを、石橋は選手の健康に配慮した先見性を感じました。自信を持って送り出す好チームの活躍を楽しみにして下さい」



