新宿高校で“イチ流”指導 「興味があった」文武両道の進学校に自らサプライズ訪問
大都会・新宿の真ん中で、今年初となる極上の指導が行われた。米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(49)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が27日、東京都内の新宿高を訪問。文武両道に励みながら野球の普及活動を行う球児たちに「僕が興味があった」と自らの意思で訪れ、計2日間で“イチ流”の教えを伝授した。
見上げると新宿高島屋やドコモの大時計が立ち並ぶ。「都会だー。練習場からグッチのロゴが見えるところ、ある?」。新宿御苑のすぐそば、東京の真ん中で、今年初となる“イチ流”の指導が行われた。
「わけわかんないよね?みんなからリクエストや監督から『ぜひ来てください』と言われたわけじゃないので。僕が興味があって来ました。学業を頑張りながら好きな野球を続けているだけでなく、小学生を対象とした野球の普及活動にも熱心に取り組んでいると聞いた。一緒に野球をやってみたい」
3年目となった高校指導。今回は自らの意思でサプライズ訪問した。新宿高は都内屈指の進学校で夏の最高成績は8強。部員は20人弱で、文武両道に励みながら、18年からは選手の出身チームを対象に、小学生に野球教室を実施するなど、普及活動を行う姿がレジェンドのアンテナにひっかかった。
26日からの2日間で約7時間、選手たちと濃密な時間を過ごした。部員からの質問に丁寧に答え、実践指導も。2日目のこの日は、中学時代に選手だった女子マネジャーとキャッチボールも行った。フリー打撃では、後ろから見学する生徒に助言を送りながら実演。ノッカーを務めた際には「頑張れ!」、「ナイスプレー」と声を張り上げて計170球を打ち込んだ。
盛りだくさんの指導を終え、最後は「報告入るようなシステムになっているので、みんな、ちゃんとやってよ」と愛ある言葉で激励。“教え子”の飛躍を願い、グラウンドを後にした。
◆新宿高校 1921年に東京府立第六中学校として創立し、1950年から現校名。野球部は1946年に創部。夏の最高成績は東京都ベスト8で、今夏の東東京大会は4回戦で敗退。野球部OBに元中日で現東大野球部監督の井手峻氏。所在地は東京都新宿区内藤町11番4。



