ロッテ時代大の先輩・小山正明氏 村田氏を悼む「兆治は人間らしい実直で純粋、誠実な男だった」

 ロッテのエースとして活躍した村田兆治氏が11日、死去した。72歳。死因は煙を吸ったことによる一酸化炭素(CO)中毒とみられる。ロッテ時代のチームメートで、若手だった村田氏に投球の助言を送るなどしたデイリースポーツ評論家・小山正明氏(88)が突然の死を悼んだ。

  ◇ ◇

 訃報をニュースで知り非常に驚いている。今は『兆治、一体、どうしたんだ』という心境だ。まだ72歳か…。若い。早過ぎる。生前の兆治は人間らしい実直な性格で純粋、誠実な男だった。

 私が阪神からロッテへ移籍したのは1964年で兆治は68年入団。ロッテで重なったのは5シーズンだった。プロに入った当時から投げるボール一つ一つがすごくてね。とても速かった。だけど常に全力投球。だからコントロールが悪い。1つのストライクを取るにも苦労していた。

 ある時、兆治の投球練習を見ていて『ピッチングは、そういうものではない。制球力が大事。七、八分の力で投げろ。練習から八分くらいまでの力で投げてみろ』と言ったことがある。

 まっすぐな性格だったから、これと決めたことは、とことん追求していくタイプ。私から『七、八分』という言葉を聞いて、全力投球をやめて制球を意識するようになった。それでピッチングのコツもつかんだんだろうね。コントロールが安定して、1軍で活躍できるようになった。優勝したのは70年。兆治も5勝したシーズンで思い出深い。

 グラウンドを離れてもいい男だった。むちゃな遊びはしない。先輩の投手陣からもかわいがられていた。私も兆治とよく一緒に食事をした。そういう場では、ほとんど野球の話はしなかったね。

 兆治が引退してからは会う機会は少なかったけれど、マスターズリーグなどで活躍する姿をテレビで見る度にうれしく思っていた。本当にナイスガイだっただけに、今回の訃報は寂しい。心よりご冥福をお祈りします。

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