ヤクルト・嶋が引退 誰かのために戦った16年 今後は師匠・野村克也氏のような指導者目指す

 引退会見でこれまでを振り返る嶋(撮影・西岡正)
 嶋は感極まる場面も
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 ヤクルトの嶋基宏捕手兼コーチ補佐(37)が28日、神宮球場で会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。涙あり、笑顔ありの1時間。「我慢強く僕を使い続けてくれた。野村監督のように名将と言われる、指導者になっていきたい」。野村克也氏の薫陶を受けた名捕手が、現役生活に別れを告げる。

 楽天では正捕手として日本一に導き、ヤクルトでも連覇に貢献。11年に東日本大震災が発生した際、4月に行われた12球団の復興支援試合で「見せましょう、野球の底力を」とスピーチ。日本中のファンの心に刻まれた。

 だが、背負う重責に苦しんだ夜もあった。「あの言葉がすごくプレッシャーになった時期もありました。13年の優勝で肩から荷が下りたのは事実です」。誰かのために、懸命に戦った16年間だった。

 東京では単身赴任生活だっただけに、支えてくれた家族へ「これからは気をつけて学校に行ってこいよ、と言える父親でいたい」。優しい人柄で愛され続けた野球人生。10月3日・DeNA戦(神宮)でセレモニーが予定されており、最後は笑顔でユニホームを脱ぐ。

 ◆嶋基宏(しま・もとひろ)1984年12月13日生まれ、37歳。岐阜県出身。右投げ右打ち。捕手。179センチ、84キロ。中京大中京から国学院大を経て、2006年度大学・社会人ドラフト3巡目で楽天入団。20年ヤクルト移籍。22年は選手兼任コーチ。ベストナイン、ゴールデングラブ各2回(10・13年)。15年プレミア12日本代表。

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