ソフトバンク・大関 57日ぶり復活!快投でM5呼び込む 左精巣腫瘍摘出で離脱
「ソフトバンク10-0ロッテ」(25日、ペイペイドーム)
万感の思いを込めた。もう二度と立てないかもしれないと覚悟したこともあったマウンド。中村奨に投じた最初の直球はこの日最速150キロを記録した。
八回、ソフトバンク・大関の名がコールされると場内に万雷の拍手が響いた。今季、貴重な先発左腕として6勝を挙げながら、左精巣の腫瘍摘出手術を受け離脱。7月30日の西武戦以来、57日ぶりに1軍のマウンドに帰ってきた。
向かい合ったのはロッテの中軸。中村奨に左前打を許すが、続く安田は内角の直球でバットを折って投ゴロ併殺打に。井上も空振り三振に仕留めた。九回も無失点に抑え、「すごく温かい気持ちが伝わってきた」と本拠地の声援に感謝した。
「ショックと言うよりは正直怖いという思いの方が大きかった」。青天のへきれきだった腫瘍の存在。「悩んだりとか考えすぎたこともあった」というが、藤本監督からの直接の電話、王会長やチームメートからのメッセージに触れ、気持ちが前向きになった。
試合終了後、チームメートと笑顔でハイタッチを交わす大関を藤本監督は「本当に良い投球をしてくれた」と感慨深げに見つめた。チームの優勝へのマジックナンバーも一つ減って「5」となった。今後は左の中継ぎとして緊迫した場面での起用も想定される。リーグ制覇、そして日本一へ向けて最後のピースが埋まった。