CS史上最高の〝3位〟争い、レベルは? 高代氏「巨人は岡本和の復調が好材料」
「巨人5-4ヤクルト」(20日、東京ドーム)
巨人がヤクルトに競り勝ち、阪神と広島を追い抜いて3位に上がった。CS争いは最終局面。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「岡本和の復調は巨人にとって明るい材料。いい戦い方ができるようになっている」と語り、混戦から抜け出す一番手に巨人の名前を挙げた。
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1点差に詰め寄られた六回に岡本和がレフトへソロ本塁打を放った。内角低めの直球に対して素直にバットが出たものだが、結果的にこの1点が勝敗を分けただけに貴重な一発になったね。
13日のヤクルト戦から数えて5試合で4発。調子の落ちている時は投球に対する始動が遅れ気味だったが、今は早めの始動からバックスイングでトップの位置にしっかりと収まっている。
ホームベースとの距離もこれまでより近くなったように思う。試行錯誤の末にようやくたどり着いたというところかな。
残りわずか7試合となったが、この岡本和の復調はチームにとって非常に明るい材料だと言えるね。
順位争いでライバルになるのが阪神と広島だが、この3チームの中で最も〝ハツラツ〟とした戦い方ができているのが巨人ではないか。
ここへきて再び本塁打が増えているのもいい。20発を放っている選手が5人もいるのだから、やっぱり恐ろしい打線ですよ。点を取って勝つという巨人らしい戦いができるようになっている。
9月のこの時期は投手にヘバリが出るころで、ラストスパートに入れば打力がモノを言うようになってくるだけに、勢いづいている巨人がやや有利かな。
一方、この混戦から抜け出すと見ていた阪神は、いかにも試合が重いね。打線では大山の不調が痛い。この最終局面において4番打者のブレーキは辛いものがある。佐藤輝も依然として苦しんでいる様子だ。
甲子園でDeNAと対戦した20日の試合は抑えの岩崎が打たれ、ショックの残る負け方だったしね。
広島はマクブルームが急激に調子を上げてきていて不気味で怖い存在だが、マツダでの中日戦で同様に抑えの栗林が打たれて負けた。どこも厳しい戦いになっている。
しかし、この3チームによる競り合いは、見る側にとっては本当に興味深い。リーグ優勝が決まった後でも、CS進出を賭けて必死になって戦っているからだろう。
3位に限定した話になるが、仮に巨人、広島、阪神の3チームが勝率と勝利数で並んだ場合は、お互いの対戦成績を合算して勝率を計算するというのがルール。そうなると広島が残り阪神との2試合に連敗しても一番上に立つことになるから、阪神と巨人にとっては厳しいね。
いずれにしても〝3位争い〟がこれほどまでに面白くなるとは考えもしなかったね。




