ヤクルト・村上がまた金字塔 「いったと思った」日本選手最速&王超え最年少50号

 3回、村上は右越えに50号3ランを放つ(撮影・佐藤厚)
 つば九郎(左)、サイスニード(右)と並んで笑顔を見せる(中)
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 「ヤクルト5-0中日」(2日、神宮球場)

 白球がヤクルトファンで埋まる右中間スタンドで弾む。両軍無得点の三回1死一、三塁。村上が試合を決める先制の3ランを放つ。巨人・王貞治の24歳3カ月を抜き、史上最年少の22歳7カ月でシーズン50号に到達。日本選手6人目の偉業だ。球史に刻む最高のアーチを掛けた。

 確信の一発だった。「(打った瞬間)いったと思いました。良い角度で上がってくれた」。中日・大野雄が投じた4球目、真ん中に甘く入ったカットボールを逃さなかった。完璧に捉えると、ゆっくりと一塁へ駆け出し、右拳を突き上げた。

 日本選手では02年の巨人・松井秀喜以来、20年ぶりの50号。同じ背番号55を背負う松井は、大台到達への道しるべだった。「この番号をもらったときから目標にしてましたし、その数字に並べたというのは誇りに思います」と喜んだ。

 まだまだ通過点だ。村上自身は「明日、あさってと成長したい、打ちたいなと思っている。そこが僕の目標」と貪欲な姿勢を見せる。119試合での50本塁打は、60本ペース。64年に巨人・王貞治がマークした55号にあと5本と迫り、13年のヤクルト・バレンティンのプロ野球記録、60本も視界に捉える。高津監督は「素晴らしく大きく成長してくれたな」と目を細める。

 チームは両リーグ最速70勝目を挙げ、2位・DeNAとのゲーム差も「7」に広げた。「プレッシャーに負けずにチーム一丸となって」と村上。頼もしすぎる22歳の最強スラッガーが、バットでチームを引っ張っていく。

 ◆村上宗隆(むらかみ・むねたか)2000年2月2日生まれ、22歳。熊本県出身。188センチ、97キロ。右投げ左打ち。内野手。九州学院から17年度ドラフト1位入団。プロ1年目の18年9月16日・広島戦(神宮)でプロ初出場初先発(6番・三塁)初打席初本塁打。最高出塁率(20年)、本塁打王(21年)、新人王(19年)、最優秀選手(21年)、ベストナイン(20、21年)。21年・東京五輪日本代表。

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