無情のサヨナラ押し出し死球 興南・安座間はひざまずき涙「思いっきり腕を振った。何も残ってない」

 9回、興南・安座間竜玖(左)はサヨナラ死球を与え号泣する(撮影・山口登)
 9回、興南・安座間竜玖(中央右)はサヨナラ死球を与え号泣する(撮影・山口登)
 9回、興南・安座間竜玖はサヨナラ死球を与えグラウンドにひざまずく(撮影・山口登)
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 「全国高校野球選手権・1回戦、市船橋6-5興南」(8日、甲子園球場)

 4年ぶり13度目の出場となった興南には、無情の幕切れとなった。

 興南は三回に敵失も絡み4安打で5点を先制。しかし、三回1死から登板した市船橋の左腕・森本哲星投手(3年)の投球に勢いを止められ、以後九回までゼロ行進となった。八回に同点とされ、九回は無死二塁で右翼から登板した安座間竜玖投手(3年)が、1死満塁とした後、押し出しサヨナラ死球。安座間はマウンドで崩れ落ち、仲間に支えられて整列した。

 試合後も安座間の涙は止まらず「本当に悔しい。打たせたらダメな場面。満塁で三振を取ろうと、外角へ向けてスライダーを(投げようと)思いっきり腕を振った。終わったことなので。何も残ってないです」とぼう然。しかし、試合後にクールダウンのキャッチボールで先発・生盛亜勇太投手(3年)から励ましの言葉をかけられたといい「甲子園は誰もが経験できないこと。この先、野球を続ける上で生かしたい」と前を向いた。

 我喜屋優監督は「選手は一体となって真剣に戦い抜いた」と選手たちをねぎらった。「安座間も最高に緊張する中を投げ抜いた。この厳しい経験を人生に生かしてもらいたい」と、緊迫の場面でマウンドに送り出した背番号「9」をかばった。

 沖縄の本土復帰50年の今年、甲子園での進撃へ県民の期待も背負った。「私自身も(選手として)50回大会でベスト4になり、その後(監督として)春夏連覇させていただいた。節目の今年に何かを残したいという気持ちはあった。選手はコロナとの戦い、暑さとの戦いなどの中でベストを尽くした。十分、記録に残る戦いをした。沖縄のみなさまも選手たちへ拍手を送ってもらえたら」と話した。

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