30年ぶり出場の樹徳 アルプス席でも「恩返し」の全力演奏

 樹徳を応援する三塁側アルプススタンド(撮影・伊藤笙子)
 応援する樹徳の吹奏楽(撮影・石井剣太郎)
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 「全国高校野球選手権・1回戦、明豊7-3樹徳」(6日、甲子園球場)

 30年ぶりに甲子園出場を果たした樹徳。聖地に帰ってきたのは野球部だけではない。左翼アルプススタンド、吹奏楽部顧問として陣頭指揮を執る渡辺秀明さんも30年ぶりに甲子園の地を踏んだ。

 1991年夏、樹徳が甲子園初出場を果たした際、3年生で吹奏楽部でテナーサックスを担当していた渡辺さん。「青空が広がって、すごく大きな球場だった。今もそれは変わらないですね」と、大阪桐蔭戦のスタンドで演奏したことを思い出していた。当時は現在指揮を執る井達誠監督が2年生で出場。また、応援席には俳優の中村俊介も応援団の一人として声を張り上げていたという。

 実は、吹奏楽部は4日に群馬県吹奏楽コンクールに出場したばかり。複数のメンバーを欠いた中でも昨年に続いて金賞を受賞した。この夏は、午前中に群馬大会の応援で演奏し、午後はコンクールの練習に費やすなど、大忙しの日々を送ってきたという。応援とコンクールで演奏する曲調はまったく違う中でも、部員たちは弱音を吐かなかった。部のまとめ役である四役に就く富井彩水さん(3年)は「大変だったけど、たくさん練習したので、どちらも大丈夫でした」と笑顔を見せる。

 渡辺さんは甲子園を前に「演奏できることに感謝しよう。いろんな人のおかげで、縁があってこの球場で演奏できる。恩を返さないといけない」と部員へ言葉をかけたという。92年以来の白星はならなかったが、この夏全力を傾けた演奏は、選手たちの耳に届いたはずだ。

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