ヤクルト・山田 ただいま弾!コロナ陽性乗り越え16号 M「41」再点灯
「ヤクルト4-2広島」(24日、神宮球場)
スタンドから届けられるあふれんばかりの拍手が、おかえりなさいの思いと重なる。お立ち台に上がったヤクルト・山田が、その景色をはにかみながら見つめた。「すごく力になりますし、今日ホームランを打てたのも、声援があったからだと思っています」。帰ってきた。
昇格即スタメンだった。ハイライトは同点に追いつかれた直後の六回。打席に向かい、変化球をジッと待った。それでも直球、シュートと速球系が続いた。
「いつかくるだろうなと、頭にはあったので。自分を信じていきました」。
待ち続けたフォークを捉え、左越えへの値千金の16号に胸を張った。初回にもいきなり右翼線への快音を響かせ、マルチ安打の好発進。苦しい時間を乗り越えて立ったグラウンドだった。
10日に新型コロナウイルスの陽性判定。喉の痛みに、熱は38・4度まで上がった。「体を動かしたい、早く戻りたい」。募る思いを抱きながら、テレビの中に見た強い決意で戦う戦友・村上にはLINEを送った。
「そんな気負わずいけよ」-。
懸命に前を向くチームに、ようやく戻ってきた。「本当にチームに迷惑をかけた。ここからは1試合でも多く勝利に貢献したい」。球宴を挟み、29日の阪神戦から後半戦が始まる。優勝マジックも「41」で再点灯。主将が首位独走のかじを握る。