滝川二初戦突破 2年生エース坂井、堂々5回1失点 阪神スカウトうなった「西勇輝みたい」

 「高校野球兵庫大会・2回戦、滝川二6-2神戸第一」(12日、明石トーカロ球場)

 兵庫大会では滝川二が神戸第一を破り、初戦を突破した。プロ注目で最速146キロを誇る2年生右腕・坂井陽翔投手(2年)は、5回3安打1失点で6三振を奪う好投。8球団が視察に訪れ、阪神・熊野スカウトは阪神・西勇をほうふつとさせる投球を評価した。

 堂々としたマウンドさばきでアウトを積み重ねていく。あまたのスカウトが目を光らせる中、坂井は快投で実力をアピールした。

 チームの夏1勝目へ導く好投だったが自身は満足していない。テーマに掲げた力まない投球は、初戦の緊張で思うようにできなかった。「(自己採点は)50点くらいです」と苦笑いで振り返った。

 2年生ながら、プロは能力の高さに注目する。身長186センチの恵まれた体格を生かして繰り出す直球は、この日最速145キロを計測。阪神・熊野アマスカウトは「(フォームは)直すところがない。(阪神の)西勇輝の高校3年生の時みたい」と高く評価した。

 現在の最速は146キロ。右腕が目標とするエンゼルス・大谷に近づくために掲げているのが“160キロ計画”だ。季節ごとに球速2、3キロアップを目指し、来夏には自己最速160キロ到達を狙う。体の柔軟性を高め、食事にも気を使い、1年前と比べて体重は8キロ増量。球速も入部当初から約20キロ速くなった。

 今春兵庫大会は準決勝で敗れ、「3年生と戦える春が最後と思って」と先輩との夏の終わりを迎える前に早くも涙を流した。先輩思いの2年生エースは「僕が甲子園に連れて行く」と決意を口にした。

 ◆坂井陽翔(さかい・はると)2005年4月5日生まれ。兵庫県加古川市出身。186センチ、81キロ。右投げ右打ち。小2年から「HIOKAパワーズ」で野球を始め、氷丘中では播磨ボーイズに所属。滝川二に入学してから本格的に投手を始める。遠投104メートル。50メートル走6・3秒。目標の選手はエンゼルス・大谷。

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