「ヤクルト７－６日本ハム」（２５日、神宮球場）

　怒り心頭だった。「ダブルスチールのあれ。あんなミスをしていたら、一生上に上がっていけないね」。２試合連続サヨナラ負け。日本ハム監督の新庄ビッグボスは珍しく、厳しい表情で吐き捨てるように話した。

　指摘したシーンは九回、清宮、野村の連続適時打で２点を勝ち越してなお１死一、三塁の場面。重盗を敢行したが、三走・清宮のスタートが遅れる。際どいプレーだったが、２－４－２と渡りタッチアウトとなった。

　ベンチにリクエストするように訴える清宮だったが、ビッグボスは視線を落として首を横に振る。その姿が怒りを表していた。「あのミスでそういうところじゃない。アウトでしょ」－。

　大接戦の中に、ミスも目立つ試合だった。八回は１死二、三塁から宇佐見の中前適時打で１点を勝ち越したが、二塁走者・万波が三本間に挟まれてアウト。八回の守備では一ゴロを処理した清宮がどこにも投げられず内野安打してしまい、その後、同点とされた。

　この日２３歳の誕生日を迎えた清宮。九回には一時は勝ち越しとなる一打を放ったが、ヒーローは一転、敗因の１つに。「守備とか走塁とか結構、迷惑をかけたので、そういうところで流れがこっちに来なかったので、申し訳ないです」と神妙な表情だった。

　新庄ビッグボスは「終わってしまったことは仕方ないから、切り替えて」と前を向く。「取ったら取り返しての繰り返しの成長はしてきている。あとは打球の判断ミスが多すぎる。打ったら打った、終わり。次は走塁。すぐに切り替える」。発展途上のチームに成長を促していく。