5試合594球熱投も力尽きた近江エース山田 自ら降板申し出は「これ以上迷惑を掛けるわけには」

 3回、大阪桐蔭・松尾に2ランを許した近江・山田
 準優勝旗を受け取った近江・山田主将(撮影・伊藤笙子)
 力投する近江・山田(撮影・吉澤敬太)
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 「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭18-1近江」(31日、甲子園球場)

 代替出場、そして春夏通じて滋賀県勢として初の頂点を狙った近江だったが、大阪桐蔭の猛打を前に壮絶に散った。5試合連続で先発したエース右腕・山田陽翔投手(3年)が疲労と準決勝の死球で痛めた左足の影響もあり、3回途中4失点で降板した。

 初回、二回にそれぞれ1点ずつを失った三回、死球を与えて無死一塁の場面で大阪桐蔭の3番・松尾に左翼ポール際への2ランを許した。直後に自らタイムを取り、一塁側ベンチに指で交代を申し出るしぐさを見せ、マウンドを降りた。

 先発は自ら希望したという山田は試合後、「甲子園は短期決戦。体力勝負だと痛感した」と、唇を噛みしめ、自ら降板を申し出た場面については「松尾君で最後にしようと思っていたけど、結果的にホームランになりました。前の日にも170球投げているので、ボールに上手く力を伝えることが出来ていなかった。これ以上チームに迷惑を掛けるわけにはいかなかったので、監督にお願いして下げてもらった。今までなかったです」と、明かした。

 前日の準決勝(浦和学院戦)で五回に左足首付近に死球を受けながら、170球を投げて完投した満身創痍のエースが降りると、その後の継投でも大阪桐蔭打線の勢いを止められなかった。打線も3安打で1点を奪うのがやっとだった。

 夏に向けて「準優勝という結果になってしまったんですけど、また来年ここに戻ってきて自分たちの目標の日本一を取れるように頑張っていきたい」と前を向いた。

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